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誰へのわからせだっけ

 余韻も束の間、ぶぽっと恥ずかしい音を立てて抜け出したりっくん。ゴポッと精液が溢れる。  それをわざわざ見せつけるために、りっくんは僕の脚をしっかり広げて香上くんへ向けた。そして、舌なめずりをしながら『ゆいぴのこんなエロいところ、もう一生見られないんだからね』と意地悪を言う。当然だ。何度も見られてたまるものか。  僕の恥ずかしい所をまじまじと見て生唾を呑む香上くん。少し腰が振れているように見えるんだけど錯覚かな。  香上くんが可哀想に思えてきたとき、八千代が耳元で吐息のような声を漏らした。 「挿れんぞ」  普段はあまり言わないのに、僕をドキドキさせるためにワザとこんなことを言うんだ。僕がそれだけでイッちゃうの知ってるくせに、ホント意地悪なんだから。  僕を少し持ち上げ、八千代が亀頭をアナルに押し当てる。見えないからなのか、入りそうで入らないのがもどかしい。  いや、これもきっと意地悪だ。いつも見えなくたって迷子にならず挿れてくるんだから。たぶん、本当に焦らしたいのは僕じゃなく香上くんなんだろうな。  ようやく挿れる気になった八千代は、いつになくゆっくりと入ってくる。まるでハジメテの時みたいに。  おかげで、おちんちんのカタチをじっくり味わうことになって感度がとんでもなくバカになる。ぐぷっと亀頭だけが収まった瞬間、僕は一瞬香上くんの存在を忘れてイッた。  そんな僕たちの接合部を、煮えたぎるような熱を孕んだ瞳で見つめる香上くん。また生唾を呑む音が聞こえた。ような気がした。  実際には、僕を独占し始めた八千代が、ぱちゅぱちゅと激しい音を立てているから聞こえるはずなんてないんだけど。それでも、チラッと見えてしまった香上くんの顔が、僕にそう思わせた。  なんて、ほんの一瞬の思考(よそみ)さえも八千代は許さない。  ものすごい速さでピストンする、嫉妬に燃えた八千代。脳が揺らされてどんどん不能になっていく。もう香上くんのことなんて考える余裕はないから、少し落ち着いてくれないかな。  ただひたすら与えられる快楽をどうにか声にして逃がさないとって、それだけで頭がいっぱいになっていく。苦しくて、それさえも気持ちよくて、まともに考えるなんてもう無理だ。 「八千代(やちぉ)、や、ちぉ······も、イけにゃ····んあぁぁっ」 「まだまだイかせんぞ。こんくらいでヘバってんなよ」  どうやら容赦してくれないらしい。啓吾も言ってたけど、今日は手加減してもらえないんだ。  ぼんやり考えて意識を飛ばしそうになっていたら、八千代が僕を落とした。ガチガチに反り勃ったおちんちんで内臓を貫いたかのような、酷く重い衝撃が走る。  僕は声も出せずに深くイッて、とんでもない勢いで潮を噴く。それが香上くんにまで届いた。  恥ずかしいやら申し訳ないやらなんだけど、そんなことを伝える猶予は与えられない。  声を絞り出そうとしている間にも、待ったなしで次の衝撃がくる。その次の衝撃も瞬きをする間にくる。止まらない連続イキに、僕は声を出せなくなっていった。 「おい場野。結人、息できてるか?」 「かろうじてな。ハッ····奥キッツ」 「は、ぅ····()、にゅ····」  目玉がぐるんと回ったんじゃないかな。八千代の膝に置いている手が震えて滑った。けど、八千代が僕の上体を拾って起こしてくれる。  だけど、無駄に上体を反らせるから奥のやばい所が抉られちゃう。おかげで痙攣が止まらないや。 「ん゙ーっ」  香上くんが唸っている。それを流し目で見て微笑むりっくん。 「ははっ。なに香上、ゆいぴが心配なの? 大丈夫だよ。ゆいぴはこのくらいじゃ壊れないから」 「むしろ、結人はこんくらいしねぇと満足できないもんなー?」  香上くんの隣で、啓吾がにんまりと笑っている。どこか満足そうだ。 「はぇ····ん、(みんにゃ)が気持ちかったら、僕も、気持ちぃの」 「あっは♡ やーっべ。結人ぉ、ンなえっちぃ目で香上見たら香上のちんこ爆発しちゃうよ?」  にやにやしながら言う啓吾。チラッと香上くんの香上くんに視線を向ける。本当に、苦しそうなくらいパンパンだ。 「ふぇ····ごめ、しゃい····」  ん?  これって僕が悪いのかな。よくわからないけど、僕のせいで香上くんが苦しいなら、謝らないとだよね。  それなのに、八千代ときたら奥をごちゅごちゅするから上手く喋れないや。 「八千代(やちぉ)、待っ、へぁっ!? ん゙ん゙っ····」  奥で止まる八千代。先っちょをぐりぐり奥の扉に押しつける。ゆっくり、じんわり、開きそうで開かずに遊ぶんだ。  激しいことが多い八千代の『ゆっくり』や『待つ』は大抵意地が悪い。 「止まってほしかったんだろ? 香上に言いてぇことあんなら今のうちに言えよ」  耳元で甘い声を響かせる。どこまで意地悪なんだろう。 「奥、ぐぃぐぃしにゃいれぇ····」 「ハッ····俺じゃなくて香上になんか言いてぇんじゃなかったんかよ」  僕の意識が自分に集中していることへの喜びが、顕著に腰使いへあらわれる八千代。なんて可愛いんだろう。  って、そうじゃなかった。香上くんに謝らなきゃなんだ。 「香上く····んぇ?」  突然、香上くんのおちんちんが目の前に現れた。啓吾のイタズラだ。  香上くんをベッドの近くまで連れてきて、ズボンのチャックを下ろしたんだろう。今日の啓吾は悪戯が過ぎる。 「香上がさ、結人にちんこ近づけたいって言うから手伝ってやったの。そうだよなー、香上?」  そんなわけがあるはず····と思ったけど、香上くんは居心地が悪そうに視線を逸らして小さく頷いた。  まさかこれって、しゃぶれってことなのかな。  ムワッと鼻をつく雄の臭い。  わかんないけど、とりあえず口を開けて舌を出す。 「タンマタンマタンマ! 結人さん? なんでヤる気満々なの?」  慌てる啓吾に、朔が冷静に答える。 「わけわかんねぇから差し出されたチンコしゃぶろうとしただけじゃねぇのか?」 「あぁ、なーる。結人ぉ、これはしゃぶっちゃダメなチンコだよ〜」 「んぇ? おちんちん、しゃぶれないの?」  啓吾が香上くんの椅子を少しだけ引いて言った。 「俺ら以外のチンコしゃぶりてぇとか浮気かよッ」  八千代が奥を叩き潰す。ごりゅっと奥がえぐれた感触に、全身がキュンとしてしまう。  これって、香上くんへのわからせだよね? あれ? 僕へのわからせえっちだったっけ?  もうわかんないや。今は八千代のヤキモチが嬉しいことしかわかんない。 「ん゙あ゙ぁ゙ぁぁっ♡♡ 奥ッ、奥らめぇっ、(ちゅぉ)いのらめぇぇっ!」  ぶしゃっと勢いよく潮が噴き出た。当然、目の前の香上くんが全て浴びる。本当に、申し訳ないやら恥ずかしいやら。  だけど、そんなことを言っている余裕はない。 「ひゃ、あぁっ、あぐっ····奥、もぉ、らめぇ····(ちゅぉ)いぃっ」  バチンバチンと肌を鳴らして突かれる度、熱り勃つ香上くんのモノに触れそうだ。だけど、舌先も届かない絶妙な距離を保っている。  これってやっぱりしゃぶっちゃダメなやつなんだよね。もう、わかんないよぉ。 「香上ィ、どうだ? 結人の息(あち)ぃだろ」 「ン゙ン゙ーッ!!」  怒りに任せて八千代が奥を抉る。対する香上くんも、相当フラストレーションが溜まっているようだ。

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