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権利争奪戦

 誰が僕に座薬を挿れるのかで揉めている。誰でもいいから、早く挿れてほしいんだけどな。  宥めなくちゃと、起き上がるため八千代に抱きつく。 「おい、起き上がって大丈夫なんか?」 「ん、大丈夫····」  でも、こんなくだらないことで真剣に揉めている皆を見てたら、なんだか可愛くなってきちゃったんだよね。 「んへへ····皆、可愛(かぁい)いねぇ····」  宥めるつもりだったのに、全然違うことを口走っていた。  言い終わるや否や、ふらっと身体が浮いたような感覚。そしたら、ぼふんっと布団に倒れていた。 「わっ、ちょ、ゆいぴ!?」  皆を押しのけて飛び込んできたりっくんが、僕に触れるか触れないかで手をわたわたさせながら騒いでる。 「りっくん····大丈夫だから、落ち着いて····」  ダメだ。涙目で慌てふためいてるりっくんには、僕の声すら届かない。 「なぁ、さっさと挿れてやったほうがいいんじゃねぇか?」  朔が、りっくんのおでこを押して言った。 「そ、そうだ、そうだね。ゆいぴ、お尻出すよ」  我に返ったりっくんは、ハッとした顔で僕のズボンに手をかける。 「ちょいちょい! なーんで莉久が挿れる流れになってんだよ。抜け駆けすんなっての。結人、俺が挿れてやっから安心しろよ〜」 「っざけんな。抜け駆けしてんのはテメェもだろ。俺が挿れんだよ」  横から手を伸ばしてくる啓吾と八千代。けれど、揉みくちゃにならないよう朔が2人を止めてくれた。 「ジャンケンだな」  凄んで言った朔に逆らえる人なんていない。  僕は、半裸のままじゃんけん大会の決着を待つ。朔が「風邪ひくといけねぇからな」って、下半身に毛布を掛けてくれたのはありがたいんだけど、もう風邪ひいてるんだよね。  皆、真剣な顔で拳を構えている。座薬を囲んで、いざ開幕。  いつもは長引くジャンケン大会だけど、今日は啓吾の勝利であっさり幕を閉じた。 「っっしゃーーー!! 俺の勝ちぃぃ! 結人、俺が挿れてあげっかんね♡」  そう言うと、啓吾は毛布に手を入れて、そっと僕のお尻に触れた。 「四つ這いのほうが楽かもな。結人、ゴロンてできる?」 「ん、頑張る····」  僕は、重い体を転がして四つ這いになった。 「ねぇ、横向きで十分じゃない? なんで四つ這いにさせんの? あれ、もしかして座薬押し込む気じゃない?」  りっくんがブツブツ言ってる。座薬を押し込むって、奥までしっかり挿れるってことかな。 「啓吾(アイツ)がチンコ出した時点で抑え込むから安心しろ。そんなこと、俺がさせねぇ」  朔の頼もしい言葉を聞いて、啓吾の手が一瞬ピクッと反応した。まさか、本当にするつもりだったのかな。 「ンナコトスルワケナイジャン? もぉ~、さっくんてばこわーい」  棒読みだ。全員が啓吾の企みを察した。 「ならさっさと挿れてやれ。普通にな」  朔の監視の目が光る中、啓吾が僕のアナルを指で開く。そして、くにっと拡げられたアナルに、啓吾の舌が触れる。 「にゃぁっ?! にゃんれぇ!?」 「濡らさねぇとさ。痛いのヤだろ?」 「や、やだぁ····」  誰も何も言わないところを見ると、これは皆もする気だったのかな······。  啓吾は舌で入口をほぐし、少し緩んだところで座薬の先端を押し当てた。なんだか、ローターを当てられている気分だ。  くぷっと先端が押し込まれる。表面がぬるっとしているのがやっぱり気持ち悪い。  そういえば、最後に座薬を使ったのって、いつだっけ。ふと考えた瞬間、走馬灯のように記憶が蘇った。  小さい頃に高熱を出したときだ。  嫌がって暴れる僕を、母さんが無理やり抑え込んで入れたんだっけ。今思うと申し訳ないや。  なんて思い出に浸ってたら、啓吾の指まで入ってきた。 「んっ、や····」  思わず力んでしまう。 「こーら。力んだらダメだろぉ。ちょっと我慢な」 「うー····だってぇ····」 「座薬出しちゃったら、チンコで奥まで押し込むかんね?」  指をぬぽっと抜いて、耳元で低い声を響かせた啓吾。こんなの狡いや。 「奥····まで?」  下っ腹が、きゅぅっとおちんちんを求める。それと同時に、お尻もきゅっと締まって、座薬が少しだけ頭を出した。 「だ、め····出ちゃうよぉ······啓吾、奥まで、押し込んでぇ····」  僕のお願いを叶えようと、啓吾がカチャカチャとベルトを外し始めた。 「朔」  りっくんが合図するが早いか、朔が啓吾を背後から捕らえた。両手首を掴んで身動き取れないようにしている。  それを見上げた僕は、おバカだから『えっちだなぁ』なんて漏らしてしまった。そして、何も考えずにお尻を開いて『まだ?』なんて聞いちゃって。そしたら、座薬がぬぽんって飛び出しちゃった。 「んぁ····ぁ、ごめ、なしゃい······お薬、出ちゃった」  涙目になって謝ると、誰が座薬を奥まで押し込むのかって、バカみたいな権利の争奪戦が始まってしまった。  もう、誰でもいいから奥までおちんちんで掻き回してほしいのにな······。

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