数日後の放課後。 俺は生徒会室に向かった。 「おっ、いたいた。ルイ」 「神威さん…」 「借りた服洗濯してきた」 俺は借りた服を入れた紙袋をルイに渡した。 こいつ俺の目をちゃんと見れてるじゃん。 嫌われたと思ったけどそうでもなかったかな。 「何ニヤニヤしてるんですか。早く帰ってください」 「ムラムラしたらこれ着て俺のこと思い出して一人でするといいぜ」 「ふざけてますね。わざわざ生徒会室にまで来て。愁弥さんだっているのに」 奥のデスクに座っていた愁弥が俺たちに気付いて近付いてきた。 「綾…どうした？」 「愁弥さんっ」 この場に一番来て欲しくない人が来たという顔をして焦るルイ。 「ルイに服借りたから返しに来た」 「服を…？」 なぜルイが俺に服を貸したのか聞かれたらルイは何て答えるんだろうなぁと一人でこの後の展開を楽しんでみた。 「愁弥さん気にしないでください。服を貸せと脅されたので貸した、それだけです」 「脅してねぇだろ」 おー、焦ってる焦ってる。 愁弥のことが好きで俺を嫌いなのに、そんな俺に無理矢理抱かれたけど最終的には自分から俺を求めた。 きっと今、自己嫌悪なんだろうなぁ。 そんなルイに追い討ちをかけるように耳元で囁いてやった。 「気持ちイイ、神威さん…だっけ？手錠外したら俺に抱きついてキスしてくるお前最高だったな」 「！！」 俺から離れて、普段の冷静なルイらしくない焦りを見せる。 「脅してるじゃないですか！」 たーのしっ。 「二人共、仲良いんだな。知らなかった」 そんな俺たちの状況を知らない愁弥が微笑ましく見てくる。 「仲良くなどありません」 「まぁ、懐かないペットほど懐いたらご主人に服従するから今は仲良くなくてもいいや」 「ペット？ルイはペットなのか？」 「さっ、愁弥さん行きましょう。そろそろ打ち合わせです」 これ以上俺と関わりたくないルイは、愁弥の肩を押してデスクへと戻っていった。 「愁弥！今日は先に帰るな。あとで暇だったらうちに来てもいいぜ。俺は最近寝不足だから帰って寝る」 「分かった」 俺は生徒会室を後にして優越感に浸りつつ、帰りながら思い出した。 そういやあの日の夜、俺はルイを犯しに行く予定だったわけじゃない。 愁弥を抱こうと早めに打ち上げを切り上げたんだ。 家に帰ってふと、愁弥を抱く前にルイとの出来事を解決しないと気持ち悪いと思って手錠とローション持って出かけたんだ。 禁欲生活長かったのと、少し酔ってたのもあって、結構激しくしちまったけど。 でも、これはこれで正解だったかな。 ルイはもう俺たちの間に入ってこないだろう。 入ってきたら、その時は今回以上に激しくしてやる。 俺にハマらない程度に、な。