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新年のご挨拶編 14 どっちもどっちで大好きで

 なんでもしてあげたいんです。  僕に触りたいって思ってくれた貴方のこと、たくさんたくさん、良くしてあげたい。  たくさんたくさん、して――。 「ん、ぁむ、ンっ」  あげたい。 「っ」  頭上で息をキュって詰めてくれた。ここ、好き、なのはもう知ってるから、でもそこばかりじゃなくて、根元のところもちゃんとしてみたり。それから先端だって、こうして。 「ん、ぁ……ふっ」  ベッドの上で、腕を後ろにつきながら膝を少し折って座っている貴方の足の間で丸まるようにしながら、貴方のを口で、してあげてる。  これは、気持ちいいですか?  握りながら、先のところを舐めたり、するの。  こういうの、は?  僕はこれをされてしまうと、すごく気持ちいいんです。 「佳、祐」  一生懸命たくさんしてたら、成徳さんが切羽詰まった声で呼んでくれた。  成徳さんの声が上擦ると嬉しくなれるんです。  じゃあ、もっと、こうしたらって、喉奥にって、あまり上手じゃないけど、たくさん頬張ってみたりして。 「っ、佳祐っ」  あ、声が慌ててる。息が乱れて、今、どんな顔を――。 「ン、ン……」  口にしたままチラリと上を見上げたら、クラクラした。成徳さんの色気に倒れてしまいそうで、喉奥のとこがジワリって熱くなっていく。 「ン……ん」 「そんな一生懸命頬張って」 「ん」 「口、ちっさ」 「ん」 「なんだろうね、ほんと」 「?」 「なんでもない。ただ困っただけ」  困ってるのになんでもないのですか? 僕、貴方を困らせてしまいましたか? 「勝手に困ってるだけだから」 「?」 「なんでもないよ」  そう呟いて、大きな手が僕の頭を撫でて、髪を何度か指先ですいてくれる。ただそれだけで、何か、ほろりとまた柔らかくほぐれていく感じ。  貴方のこと好きすぎて、溶けちゃいそう。 「佳祐」 「あっ」  喉をまるで猫を可愛がるように撫でられて、そのままいっぱいに頬張っていた成徳さんのを口から離させれてしまって。  名残惜しそうな声が勝手に溢れてしまった口を成徳さんのキスで塞がれた。 「ん、ふっ……んん」  深いキス。何度も首を傾げて、舌先を絡め合って。 「おいで、佳祐」 「あっ」 「顎、疲れたでしょ? それに我慢できそうにないから」 「ぁ……僕、も」  そっと、小さく頷いて、成徳さんの肩にしがみつきながら、そう打ち明けた。  たくさん貴方のことを良くしてあげたいって思ってるんです。でも、もう、欲しくて、だから。 「? 佳祐さ」  ここに、成徳さんの。 「ン、ぁ……」 「ここ」  そこに。 「自分でしなかった? ここ」 「! ひゃ……あ」  そう言って長い指が触れたのは今、僕が触れて欲しくてたまらなかった、でも、とっても恥ずかしいとこで。 「だ、って……」  奥が待ちぼうけだって、キュンキュンしてきてしまう。まだなの? ねぇ、って、うずうず、してる。 「指、貴方のじゃないので」 「……」 「欲しいの、成徳さんの、なので」 「……」  子どもみたい、だったでしょうか。ワガママすぎたかもしれないです。 「自分だと、気持ち良くないんです」 「……」 「だから、その」 「じゃあ、今度、教えてあげようか」 「え?」 「ここの、しかた」 「ぁ……」  成徳さんの指が僅かに中に入ってくる。ただそれだけでも本当にクラクラするほど気持ちがいい。お腹の奥のところが切ないくらいに、彼に撫でられたいって、熱くなる。 「は、ぃ……お願いします」  とても恥ずかしいけれど、教えてもらったら、少しくらいは我慢が利くようになるかもしれない。お忙しい人だってわかってるのに欲しくて欲しくて仕方ないのを少しばかりは自制できるかもしれないと、小さく頷いた。だって、貴方の邪魔をしてはならないでしょう? 成徳さんは少し驚いた顔をして、僕をじっと見つめて。 「やっぱ、教えない」 「ぇ? なん、」 「いいよ」 「ぇ?」 「自分でなんてしなくて。いくらでも俺がしてやるから」 「でも」 「手伝って」 「ぇ?」 「膝立ち」  はい、と頷いて、成徳さんに跨ったまま、そこで膝立ちをさせられる。少し脚の長さが足りず、片足ずつ交互に成徳さんと置き合うように、僕は成徳さんの右足だけに跨って、その場で腰を上げた。 「んで、そのまま自分で、少し持ってて」 「えっ?」  頬から火が出てしまいます。 「あっ」 「そのままな」 「ン」  自分でお尻を左右持ち上げて、そこを広げて、貴方の指を迎え入れるなんて。 「ひゃぅっ」  そして、後ろ手になったせいで無防備になった前の、胸の、その。 「あぁっ、ん、ン」  服越しに、敏感なそこを喰まれて、指は中を弄って。 「ああ、あ、あぁっ、あ」  貴方にして欲しいとせがんでいるよう。 「ひゃんんんっ、ン、あ、あ、あぁ」 「自分で」 「?」 「自分で満足する方法なんて覚えなくていいよ」 「ぁっ」 「俺がする」 「あっ……ン」  キスをして、舌を絡め合いながら、指に中を弄られてる。もっと貴方の手に可愛がられたいからいっぱいに広げて、ぎゅっと自身のお尻に指を食い込ませてく。 「ひゃぅっ」  なのに、指、引き抜かれてしまって。まだされたいのにって、切なく。 「ぁっ」 「ごめん。後でちゃんと風呂入れてあげるからさ」 「ぁ……」  ドキドキ、した。ワクワク、だと少し子どものようだけれど、期待で気持ちが踊りだす。 「今日はこのまま」 「あ、是非っ」  そんな気持ちが声に出てしまっていた。元気に返事をしてしまったら、成徳さんが目を見開いて笑って、それから、一つキスをしてから成徳さんの足の間にあった僕の片足を、掴んで、しっかりその両足に跨らせると、腰を持ってくれた。  深くまでちゃんと気持ちいいのを逃さないようにって掴んでくれた大きな手に促されて。 「そのまま俺の上に座って」 「あ、ぁ……あぁっ」  切なくなった僕の中を奥まで一気に熱が貫いた。 「あ、んんンンンンンっ」 「っ」 「あ、お、きい……」 「っ、っ」 「あ、中、熱い」  これ、って。 「あぁ、ホント、かっこつかな、」 「嬉しいです」  今度は僕からキスをして。 「成徳さんに気持ち良くなってもらえて、嬉しい」 「……」 「よかった」  貴方に触れる。指で、唇で。 「ほんと……なんだろうね」 「?」 「好きで、たまらないんだけど?」 「あっ」  ぎゅって抱き付きながら、奥で、貴方にたくさん触ると。 「どうすんの?」 「嬉しいです」  貴方もぎゅっと僕を抱きしめて、指で。 「あ、あっ、乳首摘んじゃダメ」  唇で。 「ん、ふっ……」  熱で。 「あ、あ、あ、ひゃ、あっ」  僕にたくさん触れてくれた。

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