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ヤキモチエッセンス編 10 誰にもやらない、と、河野は強く、思った。

――俺から離れるなよ。ずっと。 はい、って百回くらい心の中で頷きました。 「成徳さんっ」 ずっと、ずっとずっとって、百回くらい、心の中で呟きました。 離れませんって、たくさん。 「あっ」 寝転がって、身体を横向きにさせた僕の背後に成徳さんが重なっている。背中をピッタリと預けるようにくっつけると、成徳さんの体温が感じられる。それがたまらなく心地良くて、幸福感にふわふわ雲の上にでも寝転がっているような気分になってくる 「やぁ……ン」 成徳さんが僕のうなじにキスをしてくれるとゾクゾクしてしまう。 いつもすごく不思議で。だって、うなじなんて普段なら触られてくすぐったくて笑い出してしまいそうなのに、ベッドで夜の営みの最中だとくすぐったくなくて、ゾクゾクして、気持ちいいとさえ感じてしまうんだ。 すごく不思議。 もしかしたら、成徳さんの唇には不思議な力でも備わってるのかもしれないって、いつも。 「あっ」 片手で僕を抱き締めながら、もう片方の手で僕のお尻の間へ。 「ぁ……っ、ン」 長い指が僕の中へと入ってくる。ゆっくりと中を撫でてくれると僕はもうたまらなくて。もうきっと成徳さんの方が僕よりも僕の身体のことを良く知っていると思う。 どこをどう撫でたら気持ちいいのか。 どこをどうされるのが好きなのか。 「あ、あ、指っ、あ、あぁ……ン、そこっ」 そこを撫でられるとビリビリする。 「ひゃあ……あ、ン、あ、あ、気持ち、い」 気持ちが甘く蕩けていく感じ。 どこもかしこも敏感になって、うなじにキスしてもらえるだけで、指を咥え込んだ、僕のそこがきゅんってその指を締め付けてしまう。 「あ、も、成徳さんっ……」 肌に彼の唇が触れるだけで、何か溢れてしまいそうになるから、ぎゅっと成徳さんの枕を抱き締めたら。 「あ、ン」 成徳さんがその僕を包み込むように後ろから抱きしめてくれる。 「あンっ、成徳さんっ」 うなじにキス、いっぱいくれるの、好きです。 「ひゃあ……」 気持ちいいって、力を込めた肩に歯を立てられるとたまらない気持ちになります。 「あ、ン、成徳さんっ」 もう、早く。 「成徳さん……」 触れられてると、中を撫でられてると、もう早くってなってしまう。 「あっ、あっ」 早く欲しいですって。 ねだるように甘い甘い声で名前を呼んだ。くださいって、伝わるように名前を呼んで、背後にいる彼へと振り返った。 「うん?」 「あ、あ」 答えながら、中を柔らかくしてくれる長い指が、小さな孔の縁をなぞって、また、指を中に入れてを繰り返してる。それ、たまらないです。何度も何度も指に可愛がられて、気持ちいいけれど。もっと。 「っ、あっ……っ」 もっと強くされたくなります。 もっと太くて逞しいので、その、あの……もっと。 「何?」 意地悪、です。 「佳祐?」 僕よりずっと僕の身体を知ってるのに、知らないふりをするなんて、意地悪です。 「っ、ぁ……」 でも、その意地悪がとても気持ちいい、です。 「成徳さんの、を」 包み込んでくれる腕の中で振り返り、額を愛しい人へ擦り寄らせ、腰をわずかにくねらせた。 「ください」 貴方の硬いのが欲しいですって、ここにくださいってわかるように、突き出した。 「あっ、あっ」 指が抜けて。 「っ、あっ」 「佳祐」 「あっ、あぁぁぁぁっ」 熱くて、硬い成徳さんのが柔らかく解された僕の中をいっぱいに広げて、入ってきてくれる。 「あぁっ」 成徳さん、だ。 「っ、佳祐」 「あ、あ、あっ」 気持ちいい。 「やぁっ、あっ」 「挿れただけで甘イキしてる」 「あ、だって、成徳さんっ」 「っ」 貴方が僕の中にいるって感じるの、すごく嬉しいんです。 「佳祐」 「あ、あ、待っ、ひゃぁ、ン」 低い声で、少し掠れて、吐息混じりの声で名前を呼ばれるの、好きです。 「あっ、ン、乳首、らめっ、あっ」 「締まった」 抱き締められながら、指に乳首を摘んでもらうと、中がキュッと貴方のことを締め付けてしまう。 「あぁっ」 締め付けると成徳さんの存在感にまたクラクラするほど感じてしまって。 「あっ、もっ」 「佳祐」 「っ、ん、ふぁっ……ぁ、あっ」 振り返ると深く深く、キスをしてくれる。 「ン、ん……ンっ」 絡まり合う舌にただ必死にしがみ付きながら、身体の一番奥をノックされると甘い吐息が、重なり合う唇の端からこぼれてく。 成徳さんのことが大好きっていう気持ちと、幸福感と、抱き締めてもらえる嬉しさが、溢れてしまって。 「ぁ、大好きです」 そう告げた。 「あっ、あっ」 「佳祐」 「やぁっ、あ、あ、激し、あっ」 「大好きだよ」 溶けちゃいそうです。 「ひゃぁっ……あっ、あンっ……あ、成徳さんっ、成徳さっ、ン」 抱き締めてもらいながら、身体を繋げながら、どこもかしこも貴方に撫でてもらえて、可愛がってもらえて、大好きって言ってもらえて。 「成徳さんっ、中に、欲しっ」 「っ」 必死で貴方に抱き付いた。背後から責め立ててくれる貴方に振り返って、お尻のところをぎゅっとして、中でしゃぶりついて。僕からも貴方にキスをした。 「佳祐」 「あ、あ、あ、らめっ、も、僕、あ、ひゃあっ、あ、あっ」 僕からも、貴方のことを抱き締めた。 「あっ」 ギュッて、誰も何も邪魔できないくらいにギュッて抱き合った瞬間、奥に熱いのを感じて。 「あ、あぁぁぁぁぁっ」 貴方ので、達した瞬間、嬉しくて、気持ちよくて、幸せで、少し。 「……あっ」 涙が溢れてしまいました。

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