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第2話
三日後の夜。某居酒屋にて。
三枝「真島が奢ってくれるなんて、珍しいじゃん」
真島「ま、まあな」
三枝「あ、そうか。俺んとこの課のプロジェクトが、成功したお祝い?」
真島「(そんなことあったっけ?)。えーと、まあ、そんなような……」
三枝「ありがとう。俺は今回リーダーではなかったんだけど、結構大変だったんだよ。他部署との調整がさあ……(うんぬんかんぬん)」
真島(あああ、完全に仕事モードだ。どう話題を切り替えよう……)
三枝「で、一段落したことだし、久しぶりに有給取ろうかなって思ってて」
真島「(よしっチャンスだ)休みと言えばさ、俺今度、修一さんと旅行に行くんだ」
三枝「あー、いいな」
真島「それでだっ(身を乗り出し)。旅行中に、何というかこう、より愛を深められたらなって思ってて。でさ、三枝アドバイスくれない?」
三枝「アドバイスねえ……。何で行くかは知らないけど、俺たちの場合は、悠人さんが運転することが多いから。休憩を適度に取ってもらうよう気配りしたり?」
真島「えーと。いや、そういうことでは無いんだけど……」
三枝「あ、車じゃなかった? じゃあ……」
真島「いや、そういう問題では無くて! (声潜め)夜の方だよ。三枝、ネコの振る舞いに詳しいだろ?」
三枝「……? いや、特には」←声を潜めすぎたため、夜というワードは聞こえていなかった。
真島「そこはもったいぶらないで教えてくれよ。ネコといえばお前だろうが」
三枝「真島、何か勘違いしてない? 全然そんなことは無いけど(俺、犬派なんだよな)」
真島(勘違いってどういうことだ? 三枝はネコだろ? 完全にそう思い込んでたけど。え、まさか……)
三枝「どしたの、真島? 何か真っ青だけど」
真島(こいつ、まさかタチなの!? あの蓮見さん相手に、こいつが!?)
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