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おまけのSS②

『知らなかったんだもん』絡みです。お互いが攻だと、なぜか誤解してしまっている真島と翔馬のその後~。   三枝「同棲スタート、おめでとう!」 真島「いろいろ、サンキュな。まー、お前たちよりは同棲期間は短いけど、絆の深さは負けてないからなっ」 三枝「ふふ。満喫してる? 二人と一匹の生活」 真島「……一匹?」 三枝「ペット飼ってるんだろ? 如月さんのマンションて、OKなんだ。いいなあ……」 真島「ちょっと待て待て! ペットなんて、飼ってないけど?」 三枝「(もしかして、禁止されてるのに飼ってるとか!?)内緒にしとくから、安心しなよ。二人が、猫を飼ってること」 真島「いや、猫なんて飼ってないって。マジだって」 三枝 「本当に漏らさないから、信用してくれって。悠人さんが如月さんに言ってたんだよ。電話で、『君の猫は機嫌良くしてるかい?』って」 真島(ネコ!? 俺のことに決まってんじゃん。何、三枝の奴、とぼけてんの? 俺はネコだって、知ってるよな? お前とは『ポジションが逆』って、前に言ったもんな!?) 三枝「どしたの、真島? (そんなに厳しいマンションなのかな~)」 真島「(クソッ。マウント取ってんのか!? 見損なったぜ、三枝……!)お前、ネコを馬鹿にしてんの!?」 三枝「えっ、全然そんなこと無いけど? (確かに犬派だけど、猫も嫌いじゃないよ)」 真島「嘘つけ。抱かれる立場だからって、下に見てんだろ!」 三枝(この話題のチェンジは何!? てか、抱かれるって言った!? え、二人ってリバなの!?) 真島「おい、何とか言えよ!」 三枝(ひしっと真島の手を握りつつ)「俺、真島のこと心底尊敬するわ! リバ挑戦とか、勇気要るよな。俺もさ、前に挫折したんだよ」 真島「(???)いや、俺たち別にリバじゃねーけど」 三枝「(あれ? リバって通じない?)真島、BL用語には詳しくない? リバってのはさ、攻と受が途中で逆転することで……。あっ、ひょっとして攻と受も知らなかった? 攻というのはね……」 真島「いやいや、知ってるから! 攻も受もリバも知ってる! でもって、俺は受専門! タチはできねーから!」 三枝「受なの!? でも前に、俺とはポジションが逆って言ってなかった? というか、タチって何?」 真島(こいつもしかして、タチとネコの定義、知らないわけ……!?)  数分後。 三枝「あ~、びっくりした。てっきり、真島は攻だと思ってたんだよ。俺と同じ受だったんだ」 真島「俺こそ。てかお前、ゲイ用語知らなさすぎ! (無駄に尊敬したじゃん)」 三枝「あはは。勉強になったよ。なるほど、悠人さんの発言の意味が、やっとわかった」 真島「誤解が解けて、よかった。しかしさ~、思ったんだけど。蓮見さんと修一さんって、こういう会話してんのかな。ほら、俺たちって、よく愛され自慢するじゃん? (ほとんど俺が一方的に張り合ってるけど)」 三枝「あっ、そうか。あの電話の様子からしても、そうかも。うわ、何か恥ずかしい……」  こうして、真島のあだ名『猫』の秘密は暴かれないまま、真島と三枝の誤解は解けたのであった。ちなみに攻組二人の間で、パートナー自慢が交わされることは無い。そんな競争を始めたら収拾が付かないと、攻二人は悟っているからである。無駄な議論に時間と労力を費やすまいというのが、賢い二人の信条であった。  了

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