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第1話-4

「マシュー!何するんですか!!」 チャーリーが早足でウェインに駆け寄り、平気ですか?痛かったでしょう?と彼を労った。 その後すぐ、マシュー!と再びサングラスの男を責めるように言った。 サングラスの男、もといマシューは「病院で騒ぐな。迷惑だ」と吐き捨てたが、それが本当の理由でない事は明らかだった。 「あのね、なら口で言えば良いでしょう?あんないきなり投げ飛ばす事は無いでしょう?」 「ふん。パニック状態のやつに口で言って聞くのか?」 「ああもう……。ここは病院なんですよ!わざわざ治療の手間を増やさなくても良いでしょう!」 「……まあ、そうだな」 マシューがウェインに近づき、すまなかったなと手を差し伸べた。ウェインは彼に対して恐怖感を覚えながら、その手をとって立ち上がった。 近くで見ると分かるが、マシューは小柄の部類に入るのだろう。ウェインより背が低い。クリーム色なのか白なのか区別が付かない短髪、比喩ではなく、本物の雪のように白い肌。先ほど気が立ったからか、鼻と頬を中心に淡い赤になっている。 「!」 そして、サングラス越しにうっすら見えた目の瞳孔は、まるで猫のそれだった。

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