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第2話-1

第二治療室でチャーリーは治療を受けているというので、教えてもらった場所まで行くとマシューが治療室横の椅子に腰掛けて携帯端末をいじっていた。同じ人間とは思えない美形が背中を丸めて端末をいじくり回していると、何だか親近感が湧く。ウェインは微かに親近感を覚えつつ彼に近づき、話しかけた。 「あの、マシューさん」 「……ああ、お前、居たのか。ええと……すまない、名前は何だ?」 「ウェインです。チャーリーさんは治療中で?」 「ああ。ここ数ヶ月で一番ひどいよ」 ウェインはマシューから一つ分離れた椅子に座った。治療にはどれくらいかかるんですか?再び端末に集中し始めたマシューに尋ねた。 「もうすぐじゃないか?……あいつ、またそっちの世界に出てたんだな。あまりこの件には関わるなと忠告したのに」 「……ここ、本当に魔法の世界なんですか?」 「そう珍しくもないだろう?お互い許可があれば行き来できる」 「魔法なんて見たことないし……」 ウェインはそう言ってから後悔した。明らかに棘のある言葉だったからだ。 魔法の世界はここ数年、ようやく認知されてきた「概念」だった。ずっと昔から隣に「あった」が、認識出来なかったのだ。 ウェインをはじめこの国の住人は魔法を信じていない。信じてるなんて本気で言えば変な目で見られることは避けられないのもあるが、魔法や魔法使いなんてものは御伽話か、神話か、気の触れた連中の妄言でしか無かった。

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