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第2話-5

その後のバスでも急な眠気に襲われ、気づくと見知った店の前にぼんやり立っていた。携帯端末で時間を確認すると午後17時。もう辺りはすっかり暗い。いよいよ悪い夢でも見ていたんだろうか……。 端末の通知を見ると、学校の同級生からとチャーリーから連絡が来ていた。夢であって欲しかった。そういえば連絡しますね、と言っていたな。 ウェインはチャーリーからの連絡を確認してギョッとした。内容に、では無い。ある意味内容だが、書かれていた内容ではなく、彼の書き方に、だった。 『チャーリーです✨🧙‍♂️今日は災難☄️🪐💫でしたね😓でも特に問題ないようで☠️良かったです🥹😆バスの乗り方🚌💨言い忘れてたので!来週も俺が一緒に病院🏥に行きます🏃🏃ね🙌』 彼をどうにかしなければいけない。ウェインの中に、突如として使命感が湧き上がってきた。彼はこのままだと恋人どころか友達すら無くしてしまうだろう。 破壊力のあるチャーリーのメッセージをそっと閉じ(返事は後回しにした)、同級生の方のメッセージを開く。 「……?」 『ニコルどこ行ったか知ってるか?』 ニコル、というのはクラスメイトの女子で、この連絡主と少しいい雰囲気の子だ。知ってるわけないだろ、なんでお前よりおれのほうが知ってるんだ?……そうタイプして送り返そうとした時、ふと違和感を覚えた。普段ならそんな事考えずに送り返すだろう……今日、変な出来事に巻き込まれたせいだからだろうか? ウェインはつっけんどんな文章を削除し、シンプルにこう送った。 『どういうことだ?』

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