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第4話-1
翌日、昼。
ウェインは二人と近場のファストフード店で合流し、不味いコーヒーを飲みながら短い経緯を話した。
友達が意中の女子と連絡が取れなくなったこと、だがその女子はどうやら自宅にいるらしいこと。
友達が彼女の家に出向いて確認したが、ドア越しの対応になり受けごたえが曖昧で気持ちが悪かったとのこと。
チャーリーもマシューも、それだけだと何も判断できなかった。マシューに至っては、ただの思春期特有の気の迷いでは無いのか、と疑ってかかっていた。
ウェインが女子の家がどこか聞いてきたと言うので、コーヒーで口を濁すのもほどほどに三人で向かうことにした。
女子の家は市街地から少し離れた住宅街にあった。彼女は学生で、一人暮らしをしているとのことだ。
年季の入った10階建てアパートの7階、角部屋。間違っていなければこの部屋のはずだ、が。
「女の子の家にほぼ面識のない男が3人も来るって、普通に怖くないですか?」
チャーリーがそう言ったことで、他の2人もはっとした。部屋の前でまあまあ背の高い男3人が(マシューは小柄だが)女性が1人で住む部屋の前で右往左往しているのだ。第三者から見れば完全に不審者、下手をすれば通報されてしまう。
「お前の友達は来ないのか?」
「後で来るって……」
「いったん引き返しましょう。このままだと調べる前に俺たちがお縄ですよ」
3人が足音をひそめてこそこそ立ち去ろうとすると、キイイ、と後ろから扉の開く音がした。抜き足差し足で立ち去ろうとしていた野郎3人は分かりやすく飛び上がり、恐る恐る部屋の方向を振り返った。
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