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第4話-4
その、あからさまに除け者にされるような言い方にウェインはムッとした。少し言い返しても良いんじゃないか?と反抗心がむくむくと湧き上がってきた。
「そんなの、おれが決める事でしょう」
「ふん、まあ勝手にすれば良い。チャーリーはお前の事が気になっているようだからな」
「え?」
思っていた反応とは違い、マシューは視線をウェインから外してどこにもなく歩き始めた。ウェインは彼に続き、少し詮索してみることにした。
「そ……そもそも、お二人はどういう関係なんですか?」
「家族だよ」
「恋人ではなく?」
「あいつに恋人の自覚があればの話だがな」
「はぁ……?」
要領を得ない返答にウェインは頭をもたげた。
家族なのか恋人なのかどっちなんだ……?
「……まさか、体だけの関係じゃ……」
「お前、よく失礼なやつだって言われないか?」
マシューは呆れてウェインを見た。
「だって、恋人の自覚がない……けど、それ相応のことはしてるんじゃないかと」
「失礼な上に随分ナイーブな事もずけずけ聞いてくるときた」
「ああもうごめんなさいね!もう聞きませんよ!」
拗ねるなよ、マシューは少し微笑んだ。
美形の初めて見る微笑にウェインは思わず目を逸らした。あまりの綺麗さにうっかり凝視しそうになったからだ。
「良いよ、別に。チャーリーとおれは家族なんだ。もう7年くらいの付き合いになるかな」
「7年?あれでも、チャーリーって今いくつ……」
「17だな」
「マシューさんは?」
「21だ」
「7年前……」
「チャーリーは養子なんだよ。おれの母が引き取ったんだ」
「へぇ……って、じゃあ兄弟みたいな」
そこでマシューはウェインの大体2メートル先まで早足で駆けると、振り返って言った。
「おれはこれから別の用があるんだ。ここで解散にしよう」
「え、ちょっ……」
「あとはチャーリーと仲良くなってから聞いてくれ。じゃ」
突風がウェインの顔を殴りつけたかと思えば、マシューはその場から消え去っていた。
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