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第5話-5
「いや、普通に下心あると思うぞ」
ウェインはもりもりの荷物を持ったチャーリーからそんな話を聞かされて呆れた。男2人でのそのそと狭い道を歩く。ウェインはチャーリーから連絡をもらった時は外にいたので、近場で合流してアパートまで行くことにしたのだ。
チャーリーはなぜか遠足に行くみたいに上機嫌だった。
「下心?」
「怖くて、は建前で、本音はお前に気があるんだよ」
「さっき会ったばかりなのに??」
「お前だって昨日会ったばかりの男の家に泊まるじゃないか」
「え……それ、おかしいですか?」
「ああ、変だな。おれだったら泊まらないね」
彼はそれを聞いてショックを受けたみたいに首を垂れたが、少しして反論した。
「ウェインさんだって昨日会ったばかりの男を家に泊めるじゃないですか」
「そうだな。だから、おれも変なんだよ。変同士仲良くやろうぜ」
「仲良く……」
チャーリーの表情がぱっと明るくなった。
しばらくしてアパートに到着し、部屋に入るとチャーリーがわあ、と感情を昂らせた。
「狭いですね!」
「煽ってんのかよ!」
ウェイン思わずチャーリーの肩を叩いた。
ウェインのアパートは学生寮で家賃も安く、まあギリギリ1人で暮らせるだろう、それくらいのスペースしか無い。
「ごめんなさい、友達の部屋に来たのなんて初めてで……」
「おれとお前は友達だったのか?」
「違うんですか?」
そういうと、チャーリーの眉はみるみる下がり八の字になった。ウェインは何だか申し訳なくなったが、彼のことを友達どころか顔見知り以上の認識は出来なかった。多少出会いは特殊だったが、それでも、だ。
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