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第5話-7
「ええと、話、っていうのは……」
次はチャーリーからウェインに話が投げられた。
ウェインは、そういえば色々聞こうと思っていたんだった、と目的を思い出した。彼にとってニコルの事は、正直なところどうでもいいのだ。
「ああ、ごめん……。魔法のこととか、あの黒い影のこととか、色々聞きたいんだ。……あと、チャーリーの事も」
最後は付け足すように言った。そうする事で、チャーリーが気持ちよく話してくれるような気がしたのだ。なぜかおれの事を友達だと思っていたみたいだし。
しかし、予想外の返答をされてしまう。
「……でも、俺はあなたの友達では無いんでしょう?」
……拗ねてやがったか。見た目じゃ分からないものだな……。チャーリーは口をつぐみ、ウェインは唸った。
「……今から仲良くなるんじゃないか」
「ええ、ですけど、あなたは警戒心が強いようですので」
「警戒心が強いのはお前もだろ?……その警戒心って、どうやったら解ける?」
「それはあなた次第では」
「……ああもう、分かったよ!友達になろう!」
頑固な高校生を前に、ウェインは面倒くさくなった。別に友達の1人や2人増えたところで損はしないだろう。
チャーリーは機嫌を良くし「何から話しましょう?」と悪魔のような微笑みを浮かべた。
昨日、あのカウンセラー……ではなく医者からチャーリーは魔法使いでは無い、と聞かされていたがこの微笑みの邪悪さはまるで魔法使いだ。青白い病的なそばかす肌と不健康な赤毛もいい味を出すのに一役買っている。
「まず、お前たちの世界について聞かせてくれ。魔法って何なんだ?空でも飛べるのか?」
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