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第6話-5

その後、職務内外の雑談や嫌味や不満をしばらくぶつけられたが早々に切り上げ、マシューは次のエリアに向かうことにした。ワープ地点に到着する直前に携帯端末が鳴り、電話に応答するとチャーリーからだった。 「チャーリー、どうし──」 『マシューさんの番号で間違い無いですか?』 不愉快な声がした。チャーリーの携帯端末からの発信だが、声はウェインのものだった。 マシューは大きく、分かりやすくため息をつき「なぜお前がチャーリーのを使ってるんだ」と尋ねた。 『早くきてください!あ、住所は送りますんで!チャーリーが』 「チャーリーに何かあったのか!?」 『──アレを、捕獲したんです!』 マシューは耳を疑った。アレを捕獲しただと? 「分かった。すぐ向かう。住所を早急に教えてくれ」 電話を切った。住所がすぐに送られてきた。 その住所はどうやらウェインのアパートらしかった。 なぜチャーリーがこいつの家に? マシューの中でむくむくと猜疑心が湧き上がってきた。彼から何も聞いていない。 ぐっ、と暴れ出しそうな心を抑え、クリスに「一旦抜ける、すぐ戻る」と一報を入れてからウェインのアパートに向かった。

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