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第8話-5

「そのままじゃダメなのか?」 「ええ、ばい菌が傷口に入ったら大変ですから」 「普通の治療みたいだな……消毒液持ってる人いる?」 その後順当に消毒液とガーゼを揃え、傷口を綺麗に拭き取った。ウェインな随分手慣れているな、と感心したが 「本当は医療魔法ってちゃんとドクターの指示を受けてからじゃないとダメなんですけどね」 というチャーリーの一言でたちまち不安になった。魔法界にも法律とか刑法があるんだろうか。あとで聞いてみよう。 チャーリーは自分のカバンの中から使い捨ての医療用手袋を取り出して両手に装着した。 「じゃあ、縫い合わせていきますよ。少し我慢してくださいね、痛くないですからね」 「お、おい、縫い合わせるって……」 男子生徒の発言を無視して、チャーリーは傷口の部分をしっかり閉じるのでも無く、開ける訳でもない、微妙な加減で押さえた。彼は傷口を注視しており、周りの事は視野に入っていないようだった。そのあとすぐに神変不思議な現象が起こった。 傷口の表面に近い皮膚が左右同時ににょきにょきと伸び、傷口を覆い隠すように繋がったのだ。ウェインはこの間見た魔法と一緒だ、と確信した。チャーリーの刃物が貫通した手も、こういった風にするすると治っていた。 傷口が綺麗に塞がると、おしまいです、とチャーリーは微笑んだが周りは静まり返っていた。彼はええと、と加えて言った。 「奥の層の皮膚は魔法が効きづらいので、この後遅れて治ってくるから少し違和感あるかも……だけどすぐ何とも無くなるので……その、大丈夫ですよ」 無言。 そしてすぐ、治療された男子生徒が手をさっと後ろに隠し、口を開いた。 「き……気持ち悪い……」 ウェインはハッとして生徒たちと、チャーリーを見た。 チャーリーは依然微笑んだままだった。ただ、少し顔が強張っていた。ウェインが男子生徒に何か言おうとした時、生徒の1人が声を上げた。 「すごいな!どうやってるんだ?」 その生徒を皮切りに、他も各々感想を述べ始めた。 「全然わかんない」「これが魔法かぁ」「まあ気持ち悪いっちゃ気持ち悪いけど、後遺症が無いなら便利だよな」

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