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第8話-6

ほっ、とチャーリーは胸を撫で下ろした。もとより受け入れられるなんて思っていなかったし、奇異の目を向けられる覚悟はしていた。人間でも、魔法使いでも自分をみる目はそう変わらないから。 「よしよし、それでは質疑応答に入りたいと思います……。質問がある人は挙手」 「仕切んなよウェイン」「なんだよお前〜」「はいはい!質問質問……」 簡単な質問と談笑を終え、その場は解散になった。 魔法を見せてくれたお礼といわんばかりに沢山のスナックを押し付けられ、チャーリーは満足げだった。 2人で帰路に着いたとき、ウェインがチャーリーに尋ねた。 「お前さ、厳密には魔法使いじゃないって言ってたけど、どういう意味?」 「ああ、俺もともと何の素質もない人間なんですよ。昔事故っちゃって、突然変異っていうのかな……急に魔法使えるようになったんですよね」 「ふーん、そういう事ってあるんだな……」 ウェインは彼の言い方にどこか引っ掛かりを感じたが、気にしないふりをした。 「ああ、それと急に呼び出してごめんな。予定とかあったろうに」 「それが……もう俺全てがダメなんです……」 「全てがダメ?」 チャーリーがここ1週間の状況を説明すると、ウェインは呆れてしまった。主人が帰って来ず、仕事も来るなと宣告され、あと2日3日寝不足で過ごす羽目になる。以前も疑問に感じたが、夜1人で眠れないなんて今までどうやって凌いできたのか?マシューがいない日も少なからずあるだろうに。 「何日もマシューがいないなんて日、今まであまりなかったんです。あってもリダクナさんが泊まりにきてくれたりして……」 「今回はマシューさんは何も言ってないのか?お前を1人にするとは思えないんだが……」 「1人で大丈夫、と念を押したんです。そろそろ1人きりに慣れる練習も必要なので……。あ、でも、1日1度は電話、してくれるので!」 不安を吹き飛ばそうとするような満面の笑みにウェインはますます呆れた。 「今日明日はどうするんだ……」 「考えがあります」 「うん、一応聞こうか」 「炭水化物を一度にたくさん食べると、すぐ眠れるらしいので」 「絶対やめておけ。危ないから」 「あとは大量の魔力を一気に使うとか……」 「それは安全なのか?」 「1日くらい目が覚めなくなります。だからマシューがいる時しか使えないんです」 「ダメじゃないか……」

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