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※キスは嫌い
ダメだ、ダメなんだ。
こんなことは、好きになった女の子と…結婚してからじゃないと…。
心にあった祐羽の中の常識は、九条の突然の暴挙によって奥底に沈められていく。
「あ、ん、ん、…っ…っ」
ダメだけど、どうしよう…気持ちいいよ、気持ちいい…っ。
チュパチュパとわざとらしく音を立てながら乳首を吸う男を上がる息の合間にソッと見つめる。
男の視線がコチラヘ向いていて、祐羽のパニックに陥っている様をどこか面白そうな気配を漂わせて見ていた。
「んんっ」
そんな男を見る余裕は、直ぐに無くなる。
乳首を吸われたまま引っ張られたからだ。
舌でクリクリと小さな自分の乳首が、室内の小さな灯りによって、いやらしく唾液で光っている。
小さなと表現した乳首も気のせいだろうか、少し大きく腫れているのは…。
「ううっ、んふっ、あぁっ」
それを見て、自分の何かが変わっていっていると感じ、祐羽の瞳が潤んだ。
両方の乳首を吸われて、祐羽は差し出すように胸を反らせ九条の口へと持っていってしまう。
これは無意識に体が反応をしていたからだった。
「い、イヤだぁっ‼」
その事に気づいた祐羽は、恐ろしさから両手で九条を押し返そうとしたが、一瞬早く易々と両手を纏められベッドへと縫いつけられる。
「んんっ⁉」
それから再び九条の唇で口を塞がれて、声も上げられなくなる。
キスは嫌だ。
乳首を愛撫されるのと違い、脳まで蕩けさせる恐ろしいものだからだ。
気持ち良いのは快楽だけでない何かを与えてくる。
「あ、ぁ、ん、んぅ」
「…っ、…はぁっ、」
キスは激しさを増していき、祐羽の耳にも九条の吐息が聞こえてきた。
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