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痛みと涙

特に酷いのは、人には言えない部分だ。 九条を受け入れた場所は裂けたのか、それとも無理矢理広げられた後遺症の様な物なのか。 とにかく痛くて涙が出た。 痛みに耐えられずグッタリとベッドに再び仰向けに寝る。 声も少し掠れているのは、昨夜嫌でも喘がされたからだろう。 思い出しても恐ろしい。 それほどの大きさと太さの性器を本来なら受け入れる器官ではない場所へ入れられたのだ。 だから、無事でいられる方がおかしいだろう。 「…っ?」 動いたからだろうか。 九条を受け入れた場所から何かが垂れてきた。 「…何 ?」 不思議に思いながらそっと触れてみる。 「!!」 それから指先に付いた物を確認した祐羽は、驚きと羞恥に顔を染めた。 「や、やだっ」 慌ててシーツにそれを擦り付ける。 昨夜九条によって中へ出された精液だった。 改めて自分が男に犯された事実を突きつけられショックを受けた。 「うっ、ううっ…」 祐羽は我慢出来ずに泣き出した。 嗚咽を漏らしながら、理不尽な仕打ちにうちひしがれた。

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