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帰りたい思い
自分が何をしたというのだろうか。
悪いことなど、ひとつもしていない。
それなのに、次から次へと良くない事ばかりが起こるのは、何故だろう。
もう嫌だ。
帰りたい。
その気持ちが言葉になる。
「か、帰り…っ、ううっ、帰りたい」
泣きながら帰りたいと口から溢れた。
目元の涙を拭うが、次々溢れてくる。
「帰りたいっ、…ううっ、ひっく、ひっ、うっ」
それから何度か呟くと、なんとか嗚咽を堪えた。
「…か、かえ、る。も…帰る」
涙でグシャグシャになった顔をそのままに、祐羽は家に帰りたい一心で、ベッドから身を起こそうとする。
けれど、無体を働かれた華奢な体は全くいうことをきかない。
「っ!!」
ベッドから落ちてしまい無様な格好で裸体を晒してしまう。
ただでさえ痛みに辛かった体が、益々悲鳴を上げた。
ゆっくりと体を動かして体勢を整えようとするが、床に斜め横を向いて寝そべった様な形をとるのが精一杯だった。
そして下手に動いたせいか、後ろの蕾から九条の精液が流れ出る。
どうやら中までは、綺麗にしてくれてはいなかったようだ。
九条は見た目だけでなく、一般男性よりも鍛えているのか体格もいい。
そして体格にみあう大きさのモノを持っていて、そのせいか量も多い。
大量に注ぎ込まれた分、流れ出る量も多いのは当然で、祐羽の尻から太股にかけて、直ぐに九条の出したものでベトベトに濡れてしまった。
その伝い落ちる感触に祐羽は、ブルリと身震いした。
その時だった。
ドアがゆっくりと開けられて、廊下からの光がサァッと室内を明るく照らした。
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