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第209話 声が聴きたい

前回は味気ない連絡事項だけだったのに、今回はスタンプつきとは、どういう心境の変化だろうか。 もしかして、可愛いく親しみを込めることで無視されないようにという努力だろうか。 中瀬のキャラクター性から有り得る事だが、ヤクザという肩書きを持っている事を思うとそのギャップに笑うしかない。 今度は無視はしない。 祐羽自身が強くなったとか、もうヤクザも九条も全く怖くなくなった、ということは全く無い。 相変わらずヤクザは普通に怖いし、九条も優しい顔を見せてくれているが、初対面の時の暴力が記憶に残っている分、次に会った時に嫌な思いをする可能性も頭を微かに過る。 けれど昨夜のやり取りを通して、九条が浅慮な真似をするとは到底思えなかった。 今の自分は、とにかく九条と面と向かって話しをしたかった。 自分の気持ちが前に向いているこの時でないと、聞きたい事も聞けない気がする。 なにより、九条の顔を見て話す事で男の真意を知りたかった。 それが分かれば、自分がどうしたいかという気持ちも分かるし、九条へも考えや思いを伝える事が出来る。 【分かりました。また連絡します】 さすがにスタンプを押す勇気はなかったが、返信し終えた祐羽は、達成感を感じながら画面を閉じてスマホを机に置いた。 これで九条さんに会える。 …昨日みたいに話しが出来るといいなぁ。 ん~何でだろ?とにかく声をしっかり聴きたいよ。 九条に会えるという思いから、自然とクフフッと笑う顔を抑えきれないままご飯を口に入れた。 本人は気づいていないが、そんな祐羽の様子に一体誰と連絡を取り合っているんだ…と不審に目を向ける賀川と小野だった。 ※お間違いになられている方が何名かおられましたので再度お知らせです。限定小説ですが、前回と違い該当ツイートに『いいね』ではなく直接フォローをした後【DM】で「小説希望です」とご連絡ください。

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