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第243話 目指せ水族館

その後、バスケ部レギュラーの練習の手伝いを終えると、学校から電車でひとつ隣の学校へ向かった。 そこでの練習試合では祐羽の出番はもちろんなく、客席からの応援一択であった。 昼休憩を挟み午後も1試合を行った。 普段はあんな感じの宇佐美や高橋、渋谷や他の部員も古豪とはいえレギュラーだけに実力者だ。 そして祐羽含めた部員達の応援の甲斐もあって無事に勝った事もあり、午後からの学校へ戻ってからの練習は免除となった。 「やった!これなら慌てなくて済むぞ~」 これって神様からのプレゼントかも! とはいえ、今から家に帰るにしても待ち合わせの時間ギリギリになる。 考えた末に、学校解散の後にそのまま水族館へ向かうことにした。 電車に乗って、目指すは水族館のある駅。 土曜日という事もあって混んだ車内で他の客に潰されつつ電車に揺られる。 あっ、ここだ! いつもと違う路線の為、うっかり乗り過ごしそうになり慌てて何とかホームへ降り立つ。 知らないホームで迷いそうになるが、人の流れに身を任せているうちに掲示板を発見する。 走り去っていく電車を背にして、そのまま改札へ向かった。 目的の水族館は、都内でも人気のエリアにある大型のショッピングモール内にあった。 行動展示をしたり、人気声優のナレーションを使ってみたり、特殊なライトで幻想的に見せる等毎年繰り出されるその斬新なアイディアがウケて、客足も年々伸びているらしい。 駅構内の掲示に大きな看板で水族館の場所を知らせてくれており、祐羽は道順はこちらで間違いないと確信して歩調を速めた。 改札を抜けるとショッピングモールへと続く通路がある。 そこからショッピングモールを抜けた先に、一体となるように水族館が併設されているのだ。 都内でも人気のエリア。 そこにあるというだけでも人が押し寄せるが、その大きさと人気は圧倒的だ。 また駅から直結という利点も人気に拍車をかけていた。 土曜日が休みの人が多いのと、観光客の多さからショッピングモール内は人でごった返していた。

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