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第362話 重なる想い

・・・・・ 九条さん、星が綺麗ですね。 ああ、綺麗だな。 祐羽は九条とプラネタリウムで星を見上げていた。 すると頭を九条が撫でてくれるので、自然と目を閉じる。 すると、波の音が聴こえてきて…。 海…? 何故かやけに体が揺れて祐羽は不思議に思う。 少し意識が浮上していくと、自分が夢を見ていたと分かった。 夢か…。 そして寝返りを打とうとするも思う様な身動きが取れず強い力に拘束されていて、その違和感に祐羽はハッと目を開けた。 「!!?」 目の前には誰かの胸元がある。 「それでは、失礼します」 すると聞き覚えのある声が聞こえ、それからドアが閉まる音がした。 同時に自動的に明かりが点り、先程の明るさと違う温かな色になった。 見覚えのある空間だ。 「…九条さんの家?」 祐羽が寝惚け眼で確認するように呟くと、直ぐ真上から声が降ってきた。 「あぁ…起きたか?」 その声に顔をゆっくり向けると、そこにはお互いに気持ちを確認しあった人が居た。 「九条さん?」 また自分は寝てしまっていたらしい。 それから今の自分の格好に気がついて慌てる。 「お、降ります…っ」 横抱き、所謂お姫様抱っこだったからだ。 今までは横抱きだっただけに、動揺も一入だ。 「降りなくていい」 そう言った九条の唇が祐羽の唇へと重なった。

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