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第398話 2

…イケメン。 「驚いたみたいだ。悪いな」 しかも声もいい。 つーか、エロっ! 「あ~いえ…、大丈夫ですよ」 俺は我に返って、なんとか返事をした。 くそっ!ふざけんな、イケメンで声もいいとか世の中不公平じゃねぇの? 絶対これは女共がキャーキャー騒ぐタイプと見た。 俺でも素直にイケメンだと認められる。 それにしても男子学生とふたりで水族館…どういう関係なんだ? まぁいいか。 「それじゃぁ、楽しんでください」 「あぁ」 男が頷いたのを確認した俺は、ペコッと頭を下げると目的の展示室へと向かって歩いて行った。 あれから展示室を回ったりしてバックヤードで仕事を熟し、再び館内を回って来たのはいいのだが…。 クラゲ水槽をメインにした展示室の隅で小さく俺は固まっていた。 どうしたらいいんだ俺は…。 なんでこんな事になっているかというと、さっき出会ったイケメンと連れの男子学生が同じクラゲ水槽展示室の空間に居るからだ。 遅番の俺は、早出担当者からの連絡で気になっているクラゲがいるという引き継ぎを受けていた。 それで午後の巡回に続いて早目にもう1度見ておこうと思ったのだ。 その様子を宿直担当者へも伝えなければ…と来て確認すれば、今のところ気になっていたクラゲは特に問題なさそうだ。 元気じゃん。良かった~。 と思って安心した瞬間、目についた汚れ。 子ども達が思わず水槽に触れて手垢などで汚れて透明感を失ってしまっていた。 おまけに、何か飲み物を溢したらしい。 それを拭き取ろうとクラゲ水槽の影にあるドアからバックヤードへ戻り掃除道具を持参。 再び登場してゴシゴシやっている所へ先程の不思議なペアが現れたのだ。 マジか…。

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