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第411話 8

「あの天使の様な笑顔を見て、心配にならないのか?!」 香織の顔を見て、亮介は答えを求めた。 「きっと世の中の人間を次々に虜にして、いつか、祐羽は…あーっ、嫌だダメだダメだ~っ!!祐羽を婿にも嫁にもやれん!!」 ひとり嘆く亮介に飽きれ顔の香織は、隣に座ると膝をとんとんと優しく叩いた。 膝を叩かれた亮介は、嘆くのを止めて涙目で何だ?と訊いた。 「ゆうくんが可愛いのは生れる前から知ってるわよ~。だって私のお腹の中にいたんだから。一緒にお腹の中のゆうくんに声を掛けたわよね」 「あぁ、覚えてるよ…。懐かしいな。小さい頃の祐羽を一緒に観るか」 亮介の提案に香織は快く頷いた。 ・・・・・ 「ねぇねぇ、今晩のメニューは何?」 祐羽がリビングへと入って行くと、そこにはソファに座って泣いている父が居た。 「ええっ?!ど、どうしたの?お父さん!!」 「ゆーうーはー~~~っ!!!」 そう言いながら抱きついてくる亮介。 「く、くるしぃよ~っ」 一体どうしたというのか? 困り果てる祐羽に香織が苦笑して教えてくれた。 「昔のゆうくんが映ってるDVD観て、嬉し泣きよ~」 テレビには小さい頃の自分が映っていた。 小学生の一年生だろうか? 『ありがとう!!お父さん大好きだよ!』 誕生日プレゼントを貰って満面の笑みで伝えている自分。 そのシーンを観た亮介は、再び大号泣。 「祐羽~!!祐羽はずっとこの家で暮らしなさい!!お父さんの祐羽でいてくれ~!!」 父・亮介のお陰で、月ヶ瀬家はこうして大変な日々を送るのだった。

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