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第412話 番外編『祐羽の天然チャームはじめて物語』1
※幼稚園時代の祐羽のどんくさ物語。
※ここでも周りから守られて、お陰で無事大きくなりました。
※ラストちょっとだけ未来の話。
★★★★★
区内の中くらい規模の幼稚園。
その5歳児クラスに所属する元気印・夏目慶太郎にはちょっと気になるな子が居た。
名前は月ヶ瀬祐羽という、珍しい氏名だ。
5歳にしては他の子よりもゆっくりな成長で、いつも後から追いかける形で色んなことをやっていた。
そんな祐羽が心配で、慶太郎はついつい世話を焼いてしまっていた。
そんな祐羽を気にかけるクラスメイトは他にもいた。
名前を安城直人。
賢くてクラスの皆から「直人すごい!」と言われる存在だ。
ふたりの気になる祐羽はというと…。
朝、登園すると少し早目に来ていた祐羽は自由遊びの時間ということで、部屋の隅でぬいぐるみ片手に絵本を読んでいた。
それを見つけた直人は、朝の準備を終えると直ぐに近づいていった。
「祐羽、おはよう!」
「あ。直人くん、おはよ~う」
絵本から顔を上げて顔を確認した祐羽は、ニコッと笑った。
その顔を見て、直人は嬉しくて同じ様にニコッと笑った。
「何の本読んでるの?」
「…これ」
直人が訊くと、祐羽が本の表紙を見せた。
それは直人が既に読み終わっていた本で、文字がたくさん書いてある本だ。
祐羽、読めるのかな?
そんな思いを抱きながら隣で様子を伺うことに。
「…そ、れ、か、…?」
案の定、さっそく読み方が分からない文字が出てきて苦悩している。
…可愛い。
その悩んでクシャッとした顔が、なんだか可愛いく見えてしまう不思議。
直人は祐羽のそんな横顔を見て心を温かくした。
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