433 / 1012

第434話 3

よく見ると…。 これ、これって…。 「!!!」 祐羽は一気に顔を赤く染めて両手で顔を隠した。 そこには豊満な胸を晒して揺らすゲームキャラのバナーが貼られていたのだ。 しかも動いていた。 どうやらエッチな事をしているのが、思考の幼い祐羽にも理解できた。 もの凄い衝撃に項垂れる祐羽に、沼田達は大満足で笑っている。 最近の女子は一気に思考が大人びて、沼田達は相手にされないどころか、下手をすれば難癖つけられて痛い目をみる。 それに世間という物を知っている為か、冷静に分析し文言を並び立てやり返してくるのだ。 正直、全然面白くない。 その点、純粋培養の祐羽は良い。 祐羽の慌てる姿や驚く様子、恥ずかしがるのが大好物だった。 「月ヶ瀬、おっぱいどうだった?」 取り囲んだついでに肩を然り気無く抱いてくる始末。 「今度、俺ん家でエロ本見るか?」 気のせいか、沼田の息が荒い。 「おいっ、お前ら何してんだよ!!」 そこへ救いの神が現れた。 「げっ、篠崎」 ワラワラと周囲が開けて、沼田が祐羽から引き剥がされた。 イケメングループに所属する祐羽の友人だ。 「何してたんだよ?」 そんな後ろから現れたのは滝本で、沼田のスマホをヒョイッと取り上げた。 「ちょ、おいコラッ!返せよ!!」 沼田より断然背の高い滝本はフムフムと画面を見て、納得する。 「っざけんな、月ヶ瀬にこんな下らねぇもん見せるんじゃねぇよ」 「ん、どれどれ?」 そこへ顔を出したのは原。 祐羽の仲良し三人組が揃い踏みだ。 「確かにな。それにしてもお前らこんな二次元で満足なんてしちゃってんの?」 「生の良さを知らない童貞野郎が偉そうにしてんな」 「はい、散って散って~かいさーん♪」 沼田達は悔しさを全面に出して、そのまま教室を出ていった。

ともだちにシェアしよう!