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第434話 3
よく見ると…。
これ、これって…。
「!!!」
祐羽は一気に顔を赤く染めて両手で顔を隠した。
そこには豊満な胸を晒して揺らすゲームキャラのバナーが貼られていたのだ。
しかも動いていた。
どうやらエッチな事をしているのが、思考の幼い祐羽にも理解できた。
もの凄い衝撃に項垂れる祐羽に、沼田達は大満足で笑っている。
最近の女子は一気に思考が大人びて、沼田達は相手にされないどころか、下手をすれば難癖つけられて痛い目をみる。
それに世間という物を知っている為か、冷静に分析し文言を並び立てやり返してくるのだ。
正直、全然面白くない。
その点、純粋培養の祐羽は良い。
祐羽の慌てる姿や驚く様子、恥ずかしがるのが大好物だった。
「月ヶ瀬、おっぱいどうだった?」
取り囲んだついでに肩を然り気無く抱いてくる始末。
「今度、俺ん家でエロ本見るか?」
気のせいか、沼田の息が荒い。
「おいっ、お前ら何してんだよ!!」
そこへ救いの神が現れた。
「げっ、篠崎」
ワラワラと周囲が開けて、沼田が祐羽から引き剥がされた。
イケメングループに所属する祐羽の友人だ。
「何してたんだよ?」
そんな後ろから現れたのは滝本で、沼田のスマホをヒョイッと取り上げた。
「ちょ、おいコラッ!返せよ!!」
沼田より断然背の高い滝本はフムフムと画面を見て、納得する。
「っざけんな、月ヶ瀬にこんな下らねぇもん見せるんじゃねぇよ」
「ん、どれどれ?」
そこへ顔を出したのは原。
祐羽の仲良し三人組が揃い踏みだ。
「確かにな。それにしてもお前らこんな二次元で満足なんてしちゃってんの?」
「生の良さを知らない童貞野郎が偉そうにしてんな」
「はい、散って散って~かいさーん♪」
沼田達は悔しさを全面に出して、そのまま教室を出ていった。
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