500 / 1012
7
え?
あの怒りは何処へ?
そうこうしているうちに、話が纏まる。
すると「一緒に息子達を迎えに行きましょうか」と並んで歩き始めた。
摩波呂母は隣を見上げてうっとりしていた。
まるで恋人を見るように。
文句なしの美形を隣にして仲良く歩けるので、摩波呂母の自慢気な雰囲気が伝わってくる。
他の保護者からの羨望の眼差しが、さぞや気持ちいいことだろう。
摩波呂の父親は雰囲気イケメンなので、正直茶髪と服装を除いてしまえば普通の平凡顔なのだ。
それなら摩波呂母が舞い上がるのも仕方ない。
延長の部屋から出てきた一臣と摩波呂。
一臣は父親の迎えにギョッとしている様だった。
摩波呂は母親の様子がいつもと違うことに気がついて、戸惑っている。
そして一臣が謝って当然の展開を予想していたら、まさかの自分が謝るという形に不貞腐れていた。
とにもかくにも、なんとかトラブルが解決して一件落着。
やっぱり一臣は王子様だと、職員の間では特別に。
そして、次の行事に是非《ぜひ》とも一臣パパが来てくれる事を祈る保育士達なのだった。
ともだちにシェアしよう!