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え? あの怒りは何処へ? そうこうしているうちに、話が纏まる。 すると「一緒に息子達を迎えに行きましょうか」と並んで歩き始めた。 摩波呂母は隣を見上げてうっとりしていた。 まるで恋人を見るように。 文句なしの美形を隣にして仲良く歩けるので、摩波呂母の自慢気な雰囲気が伝わってくる。 他の保護者からの羨望の眼差しが、さぞや気持ちいいことだろう。 摩波呂の父親は雰囲気イケメンなので、正直茶髪と服装を除いてしまえば普通の平凡顔なのだ。 それなら摩波呂母が舞い上がるのも仕方ない。 延長の部屋から出てきた一臣と摩波呂。 一臣は父親の迎えにギョッとしている様だった。 摩波呂は母親の様子がいつもと違うことに気がついて、戸惑っている。 そして一臣が謝って当然の展開を予想していたら、まさかの自分が謝るという形に不貞腐れていた。 とにもかくにも、なんとかトラブルが解決して一件落着。 やっぱり一臣は王子様だと、職員の間では特別に。 そして、次の行事に是非《ぜひ》とも一臣パパが来てくれる事を祈る保育士達なのだった。

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