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「………」 おちつかねぇ~な…。 待っている間にも応募者の女子や先程の女性からの視線を間近にバンバン感じる。 一臣はそれに気づかない振りをして、壁に掛けられたメルヘンなイラストへと視線を向けた。 額が光に反射するお陰で、然り気無く店内の応募者の様子が見れる。 男と女、2対8の割合か。 結構な人数が居るけど、10名採用ってあったな…3分の2は落ちるか。 人数をざっと見た感じなかなか厳しそうだ。 特に男は採用枠自体少ないだろう。 まぁダメでも他にいくらでもあるしな。 そんな気楽に考え椅子に体を預けた一臣は、腕を組んで目を閉じて待つことにした。 暫し待つこと20分程だろうか。 呼ばれては奥のスタッフルームへ消えて行くメンバーは面接が終わると帰っていく。 緊張している学生や余裕顔のフリーターらしき人間。 もちろん一臣は緊張などしていない。 普段から強面に囲まれていれば、大したことではない。 「では、次。九条さーん」 「あ、はい」 運良く名前を早目に呼ばれる。 ラッキ~と思いながら目を開け立ち上がると、周囲からほうっ…と溜め息が聞こえた。 長い足でスタッフルームへ向かうと、ドアを開けてくれた女性に「どうも」と視線をやると顔を赤くして必死で頭を横へブンブン振っていた。 変な女…。と思い視線を外した。 面接は店長らしき男性と、社員らしい女性がふたり座っていた。 机を挟んで向かいにある椅子に「失礼します」と腰を掛ける。 「……九条、一臣くん。高校3年生、ね」 「…はい」 男店長は履歴書じっと眺めながら訊いてきた。それに対して、書いてあるんだから読めば分かるだろ、めんどくさい…と思いながら返事をする。 早く面接終わらせてくれ、と心で念じた。

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