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そして視線を何気にチラッとその隣に向けると、社員の女性とバチっと合った。
なんとなく見ると、どんどん顔を赤くしていくのが面白い。
社員で面接同席ならそれなりのポジションだろう。
年齢は30半ばだろう…などと考える。
女性社員は顔を下に向けてモジモジ始めた。
…飽きた。
九条は早くも飽きた。
女は大体同じ反応しかしないからだ。
それよりも早く次の質問をくれよ、店長サン。
そんな願いが届いたのか、履歴書を全て目を通し終えた店長は幾つかの確認をして一臣の面接は無事に終った。
次の日。
無事に採用の連絡を貰った一臣は、バイトを探してくれた鳥海にその事を伝えた。
すると喜んだ鳥海がお祝いだと言って、要りもしないカラオケの割り引き券を1枚くれた。
1枚…ケチくさいな。
まぁバイト見つけてくれただけでも有り難いか。
九条は割り引き券を制服のポケットへと入れた。
それを見たクラスメイト男子は、社会もヤツに味方した!と心の中で盛大に嘆いたのだった。
土曜日。
さっそく研修として店舗に呼び出された一臣は、渡された制服を持って更衣室へと入る。
サイズも伝えていたのでピッタリだ。
着替え終える更衣室を出ると、ザワッと空間が揺れた。
(((かっ、カッコいい…!!)))
という皆の共通認識が。
スラリとした長身と長い手足の九条は、ギャルソン風の制服を見事に着こなしていた。
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