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「よーし、始めるぞ!!」
部長の宇佐美先輩が声をかけると、部員が「はいっ!」「おうっ!」と、それぞれ声を上げた。
さすがに大好きなバスケは真面目に取り組んでくれる先輩達。
伊達に強豪を名乗ってはいない。
「ランニング!!」
ストレッチをしてから部長の指示で校庭へと出ていく。
校庭を五周してから、体育館へ戻って練習する。
一年の連中はまだ体力が無くて、チビすけチームの数名が最後尾で息を乱して走っていた。
その中にはもちろん月ヶ瀬も居る。
月ヶ瀬は辛そうにしながらも、懸命に走っていた。
本当に頑張りやなので、そういう意味では頑張れと応援したい可愛さがある。
あ、他のチビ共も素直で可愛い気があるぞ。
そうこうしていると、五周追えて体育館へ戻った。
最近は脱水症状や熱中症で学校も敏感になっている。
真夏でなくても水分補給には五月蝿い。
戻るや否や各自持参した飲み物を口にする。
三年、二年と速い連中は早々に戻ってお茶タイム。
そこへ次々と戻ってきては飲んだり、汗を拭いている。
一年も逞しいヤツは同じくらいにゴールを決めていた。
しかし、やはり一年チビチームはまだ戻らない。
俺が汗を拭き終わった頃に、チビチームが漸く戻ってきた。
全身で息をしながらのゴールに、先輩達から労いの言葉を貰っていた。
水分補給へと向かうチビチーム。
ゴクゴク飲む姿は普通なんだけど、普通じゃないのが約一名。
おい。
もっと男らしく豪快に飲めよ、月ヶ瀬!!
疲れてるの分かるけど、その気だるげな表情はヤメローッ!!
「ふ~生き返る」「走った後のお茶、おいしいね」じゃ、ねぇよ。
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