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「お前もいい加減にしろよ、月ヶ瀬見習えッ、うっ!!」
「いい加減にするのはどっちよ!バカ!!」
部長はバッグで殴られる始末。
「さっきから、その月ヶ瀬しか言ってないじゃないの!!あんたの彼女は、さーとーうーって名字でしょ!!!」
「月ヶ瀬って子、横に侍らせてニヤニヤ気持ち悪かったんだ、よーッ!!このスケベ!!男でもいいわけ~?!」
「節操なし!!」
彼女達の猛攻は続く…。
あからさまに月ヶ瀬贔屓していた三人は、余計に酷い事に…。
確かに隣に座らせて肩を抱いてたし、一緒に歌おうとかしつこかったし、飲み物追加には着いていくし、トイレにも着いて行…ゲフンゲフンッ、深くは考えないぞ~。
とにかく、その場は収拾のつかない事態に陥っていた。
まさに修羅場…。
その場にいた連中は、あまりの事にドン引き。
彼女を連れていた連中も「ちゃんと私の事、送ってよね」とか言われてタジタジだし、彼女に夢見る男子も「彼女当分いらねぇ」とか「バスケが恋人」なんて呟く奴等もいた。
彼女…優しい子にする。
マジで可愛くて、優しくて、鈍感な癒し系の…月ヶ瀬 ?
それは不味い。
俺、おっぱい好きだし。
とにかく月ヶ瀬タイプの彼女探す。
そう心から誓った。
明後日から練習再開。
月ヶ瀬、頼んだぞ…!!
そう強く思う俺なのだった。
一方、その頃。
ネオン光る賑やかな街の中。
「…ここ、どこだろ?」
月ヶ瀬祐羽は迷子になり、途方に暮れていた。
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