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それから品出しを終えて、接客して、レジのヘルプを終えてから本来のコーナーに戻ってきたのは、一時間経ってからだった。 休みの日は、本当に忙しい。 でも、平日よりも時給がいいから積極的に入れて貰っていた。 疲れから凝った目を押さえながらオーちゃん先輩の元へ向かうと、そこにはまだあの少年が居た。 「オーちゃん」 「ギョエッ」 「オーちゃん」 「ギュキュッ」 …マジか。 オーちゃん先輩と彼は、この一時間ですっかり親睦を深めていた様だ。 担当のこの俺や一番世話してる店長でも、先輩は偉そうなのに、何その可愛い声は。 何、そのしおらしい態度。 しかも籠の一番少年に近い場所に居て、気のせいかうっとりしてないか?! とてもリラックスしていた。 「あの子、何者…?」 俺は呆気に取られて、その場で様子をジーッと見ていた。 少年はオーちゃんに夢中なのか、全く俺に気づかない。 オーちゃんが心を開く位だから、いい子なんだろうなぁ…。 すると、通路の向こうに男が5人現れた。 デカイ!!! しかも、若くてリア充って雰囲気駄々漏れ!! ああいうヤツって苦手なんだよな。 って、思ってたら少年の元へ。 「おーい、月ヶ瀬」 「勝手に居なくなるなよな」 「スマホ定期的に見ろよ、連絡入れたぞ」 「次からは月ヶ瀬をど真ん中に配置して歩く」 「つーか、フラッと無意識の寄り道多すぎる」 タイプ違うけど、知りあい? 「せ、先輩達!すすす、すみません」 振り返った少年は頭をペコペコ下げていた。

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