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「一時間探した」 「すみません…」 謝る少年の肩に腕を回して「飯でも食おうぜ」と言うと、他のメンバーも同調した。 「あ。オーちゃん、またね。また来るからね!」 最後に可愛い笑顔で手を振りながら、歩いて行った。 呆然と見送るオーちゃん先輩に、茶髪のイケメンが「悪いな!」と悪びれず手を上げて去り、もうひとりが「恋とは叶わないもんだぜ」と笑いながら姿を消した。 あの癒しの少年とは違う…なんて嫌味な男達だ。 イケメンだったら許されるのか…俺、イケメン本当に嫌いになった。 「クェ」と、オーちゃんが鳴いた。 オーちゃん先輩。 人間との恋は無理なんで、諦めて下さい。 それにしても不思議な少年だった。 なんだか心がホカホカする。 こんなのいつ振りだろうか…。 こんな気持ちをもたらせてくれた彼に、感謝しないとな。 俺は心の中で彼の幸せを祈った。 「さて。オーちゃん先輩もご飯にしますか~」 次はいつ来てくれるかなぁ? またのご来店、先輩共々お待ちしております!

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