438 / 1012

番外編『あぶない園芸部』

※中学生1年の時とその後の祐羽の話。 ※園芸部の活動とモブ女子部員の悲喜劇。 ※ラストに、おまけで未来の様子もちょっとだけあるよw ■■■■■ 中学生で部活に入ろうとした時、祐羽の脳裏には運動部も候補にあった。 特に惹き付けられたのはバスケットボール部だ。 しかし、自分は体力も無く特に運動神経がいいわけでもない。 そんな自分にバスケは荷が重い。 「部活か~どこにしよう…」 どこの部に入ろうか…そんな悩んでいる時に、たまたま見かけたのが園芸部だった。 綺麗な花壇は見ているだけでも心がほっこりくる。 自分で育てて、その花が咲いた時の嬉しさは一入だろう。 それに堆肥を運んだりの作業もあって、体力もつくのでは?筋肉がつくし一石二鳥だ!と祐羽は園芸部への入部を決めたのだった。 さっそく配られていた入部届けに記入して、活動をしている花壇を幾つか探すと、そこには園芸部がちょうど花壇作りをしていた。 「月ヶ瀬くんね。今日からよろしくね」 勇気を出して入部希望を伝えると、眼鏡をかけた部長の竹田が祐羽を笑顔で挨拶をしてくれる。 「はい。よろしくお願いします!」 祐羽は元気に挨拶を返した。 園芸部は3年生が3人、2年生が3人、1年生は祐羽を含めて2人。 そして祐羽以外は全員女子ばかりだ。 女子しかいない事に戸惑ったものの、みんな真面目な落ち着いたメンバーで祐羽を快く迎え入れてくれたので安堵した。 園芸部メンバーの活動は正直いうと地味だ。 大変な割りに地味だ。 綺麗な花を咲かせても特に感謝されないが、花が好きなので自分が嬉しいのでいいのだが、とにかく地味だった。 生徒は当たり前に咲いていると思っているだろうが、土を作り花の種を蒔いて水をやってと、とにかく忙しく大変だった。 そんな花達は心優しい部員に世話をされて、毎年可憐な花を咲かせて人々の目を楽しませている。 よぉ~し、僕も頑張ってお世話して花をたくさん咲かせるぞ! 祐羽は新しい事へと意欲を高めて、ワクワクと胸を高鳴らせた。

ともだちにシェアしよう!