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「す、すみません…」
「月ヶ瀬?!」
そこへ音が聞こえ祐羽のドジをした様子が見えたらしい篠崎が顔を出して、それからボールを置いて慌てて出てきた。
「大丈夫か?!これ運ぶのか?手伝ってやるよ」
「わ、悪いよ…それに篠崎くん部活中だし」
「いいから、いいから。大丈夫!」
篠崎は祐羽にイケメンスマイルを繰り出した。
「ちょっと俺、手伝ってくるから」
「オッケー早く戻ってこいよ」
仲間に声を掛けると、祐羽と竹田が苦労した土の入った袋をいとも簡単に一輪車へ乗せた。
「ありがとう。ごめんね?」
「全然」
そうしてふたりで並んで竹田の後を着いて行く。
一方、竹田はガラゴロ力を入れて一輪車を押しながら思った。
女子である私ではなく男子の月ヶ瀬くんの方が優遇されるとか…というか私よりか弱いとか…そんな能力装備して生まれたかった!!
ていうか、なんか二人いい感じだわ~友達なのねぇ~。
って、待って私!このカプって私の好きなイケメン×可愛い男の子じゃないの?!
王道BLだわ~最高!!
竹田は思わず口元をニヤニヤしてしまった。
しかしバレてはいけないと顔を隠す。
その様子が他の生徒からは不気味がられていると知らないのである。
そんな竹田の脳内など露知らず、篠崎と祐羽は花壇へと戻ってきた。
すると、男子慣れしていない地味女子の集まりは一気に浮き足だった。
それもイケメンなので、アワアワしてしまう。
普段全く男子との交流の無い女子達は、軽々と一輪車から袋を下ろしていく篠崎に目を輝かせた。
「篠崎くん、ありがとう!本当に助かったよ」
「いいって、じゃあな」
颯爽と走り去って行く篠崎。
その後ろ姿を女子達はうっとり見送った。
「さぁ皆、ぼーっとしてないで土をならしていくわよ!!」
竹田の声に全員がハッと我に返った。
さて、ここからがまた大変なのだ。
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