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美味しい…桃ジュース嵌まりそう。 そう夢中でチューチューしていると祐羽が冷えない様にか、九条が薄手の毛布を持ってきてお腹の辺りに掛けてくれる。 「あ、ありがとうございます」 至れり尽くせりだ~。 九条さんヤクザの組長さんなのに年下の僕に…。 「何かあれば言え」 「いえ、それよりも色々して頂いて本当に申し訳ないです」 祐羽がしんなりと眉を垂らすと、九条が微かに笑う。 「遠慮しかしないな、お前は」 「そんなことないですけど…」 「そうか」 九条は手を伸ばすと祐羽の髪をクシャクシャとかき混ぜた。 チュッ 「!!」 それから髪の毛にキスを施されて声の出ない祐羽を面白そうに見つめる。 「こういう事は遠慮せず、欲しかったら言え」 「~~~っ!!」 意地悪な表情を一瞬浮かべた九条に、祐羽は声も出ず顔を真っ赤にさせた。 それから「不意打ちは心臓に悪いので止めてください」と抗議を上げるも再び唇を激しく奪われた。 「あっ、…んむっ、んっ、んんん~~~っ、プハッ」 漸く唇を解放される。 こんな時の九条は途端に意地悪になる…と、祐羽はキスで弾んだ息を整えながら天井を仰いだのだった。

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