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原は集まりに向かいながら、抱き寄せた小さな肩を内心ちょっとドキドキ楽しんでいた。 あ~月ヶ瀬ちっせぇな。 女子と変わらねぇし…。 性格もいいし、月ヶ瀬が女子ならなぁ…。 もちろん彼女が居たこともあるが、今は居ない。 モヤモヤした気持ちではつき合えず、彼女への気持ちも向かなくて自分から別れを切り出したのだ。 それは篠崎と滝本も同じで、理由も同じだろう。 祐羽を横目で見下ろしながら、ふと視線が胸元へ。 体操服でしっかり隠れてはいるが、祐羽の体型には少し大きい感じなので、屈んだ時に見える可能性は大きい。 「…」 おっぱい無い。 当たり前だけど、乳首なら見えるかも…。 って、俺ーっ!! あぁ~ダメだダメ!! 何を考えてるんだーっ、心頭滅却!! 「うぅ~あ~ダメだ~」 「えっ、ど、どうしたの?!」 急に唸り始めた原を祐羽が心配そうに見上げた。 その視線もやめてくれ…。 原は本当に頭を抱えた。 そんなこんなでバレーボールの紅白戦が始まることに。 チーム分けは背の順に並んだものを前後でスパーンと分けて各クラスを2チームに分けての2クラス対抗だ。 背の低い前方の祐羽と背が高い方の原達3人。 けれど、原と滝本はチームが違う。 「月ヶ瀬、頑張ろうな」 「うん…」 自信の無い祐羽はなんとか頷く。 そこへ原と滝本がやって来た。

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