459 / 1012
4
原は集まりに向かいながら、抱き寄せた小さな肩を内心ちょっとドキドキ楽しんでいた。
あ~月ヶ瀬ちっせぇな。
女子と変わらねぇし…。
性格もいいし、月ヶ瀬が女子ならなぁ…。
もちろん彼女が居たこともあるが、今は居ない。
モヤモヤした気持ちではつき合えず、彼女への気持ちも向かなくて自分から別れを切り出したのだ。
それは篠崎と滝本も同じで、理由も同じだろう。
祐羽を横目で見下ろしながら、ふと視線が胸元へ。
体操服でしっかり隠れてはいるが、祐羽の体型には少し大きい感じなので、屈んだ時に見える可能性は大きい。
「…」
おっぱい無い。
当たり前だけど、乳首なら見えるかも…。
って、俺ーっ!!
あぁ~ダメだダメ!!
何を考えてるんだーっ、心頭滅却!!
「うぅ~あ~ダメだ~」
「えっ、ど、どうしたの?!」
急に唸り始めた原を祐羽が心配そうに見上げた。
その視線もやめてくれ…。
原は本当に頭を抱えた。
そんなこんなでバレーボールの紅白戦が始まることに。
チーム分けは背の順に並んだものを前後でスパーンと分けて各クラスを2チームに分けての2クラス対抗だ。
背の低い前方の祐羽と背が高い方の原達3人。
けれど、原と滝本はチームが違う。
「月ヶ瀬、頑張ろうな」
「うん…」
自信の無い祐羽はなんとか頷く。
そこへ原と滝本がやって来た。
ともだちにシェアしよう!