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「月ヶ瀬、心配すんな!俺がカバーしてやるから!!」 「俺もバッチリ守ってやるよ!」 どんと任せろとやって来たふたりに篠崎が顔を顰めた。 「は?何言ってんのお前ら。チーム違うだろうが!」 「いや、俺達もこっち~」 「代わって貰ったから」 原がうへへと笑い滝本が当然の様な顔で言った。 心強いとはいえ勝手に代わってもいいのかな?と真面目な祐羽は心配するのであった。 そして、いよいよ紅白戦開始。 コートへと入って行く。 祐羽のチームは、祐羽の他に篠崎、滝本、原、他はバレーボール部員と運動神経のいいメンバーが集まった。 本来ならこんなオールスターにはなっていない。 これもクラスリーダーな篠崎達の不正によって作られた祐羽を完璧に守るためのチームである。 「よし、お前ら。サーブで取れる点は全部取るぞ!」 「月ヶ瀬に速い球はいかない様に絶対ガードな!!」 「とにかく月ヶ瀬に怪我が無い様にな!!」 「「お、おう…!!」」 そんな篠崎達3人の圧力に押される形で他のメンバーも頷いた。 いざ試合が始まると、相手もなかなかに強い。 ちょっとイケメンで人気がある3人に痛い目を見せてやろうという考えか偶然か、バレー部員やスポーツ系の男子ばかりだ。 そして祐羽が明らかに弱点だと分かっていて狙ってくる。 それを全員で必死にカバーしていく。 体育の練習とはいえ、男には負けられない試合があるのだ。 チッ、あからさまなんだよバカ野郎…!! 3人のイライラが募る。 速い球が祐羽目掛けて放たれた。

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