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滝本は素早くガードに向かって何とか返したが、バランスを崩した。
「!!」
しまった…!
ついでに巻き込まれた祐羽。
「うわぁっ!!?」
滝本は祐羽を潰さない様にと何とか踏ん張り、しかし耐えられず段階的にドサッとコートに倒れこむ。
痛てて…って、ん?
なにやら顔面がフニフニしているではないか。
滝本は目を開ける。
「…」
SIRI、シリ、尻。
逃げ損ねた祐羽の尻だ。
えっ、これ何?
0センチ前に月ヶ瀬の尻…。
…すまん。
イケメンでも健全男子なので、さりげなく匂いを確かめる。
クンクンと滝本が鼻を鳴らした。
そこへ素早くやって来た原に頭を殴られ、祐羽は篠崎に救出された。
その後は、特にトラブルもなく試合は進んだ。
メンバーのサポートのお陰で祐羽には相手の打ち損なった緩いボールしか来なかったのだが、やっぱり返すのはへなちょこボールで格好などつかなかった。
とはいえ、祐羽は(上手くなんとかボールを返せた)(皆に迷惑をかけずに終われた)と安堵したのだった。
「勝てて良かったね」
全員が笑顔で頷いた。
結果、祐羽の活躍は殆ど無かったがチームとしては容赦なく勝利を納めていた。
やはり勝つと嬉しいものだ。
試合を終えた4人は次のチームを見学がてら体育館の端に並んで座って休憩をする事になった。
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