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祐羽が座った隣に誰が座るかで今度は揉め始める。
顔は爽やかさを維持しているものの内心は喧喧諤諤だ。
祐羽にはカッコイイ姿を見せたい男心。
座った相手を押し退けたり、間に入ろうとしたりの応酬になる。
滝本と原とは一戦を画してちゃっかり反対側へ陣取った篠崎は、祐羽とバレーの話になっていた。
「このっ!」
「ちょっ、」
滝本が力業に入り原の抵抗を押し返した。
「えっ!?」
避けようとしたが、原が見事に倒れ込んで来た。
「ぶふっ…!」
「えっ、ちょ、原くん?!大丈夫?!」
驚いた祐羽の声が頭上から降ってくるが、原はそれどころではない。
月ヶ瀬のシークレットゾーン…!
そう祐羽の太股に顔から突っ込んだのだ。
女子の太股に比べれば祐羽には弾力が足りないが、それはどうでもいい。
これは所謂膝枕。
祐羽の膝と思うと心地いい。
おまけに、そう。大切な場所は目の前。
ゴクッと原は唾液を飲むと、さっそく腰に腕を回して抱きついた。
「月ヶ瀬~虐められるよ~!」
同時に篠崎と滝本から思い切り剥がされて、床へと転がされて行った。
「原くん…っ、だ、大丈夫?」
「あ~大丈夫、大丈夫。気にしないで」
心配する祐羽をガッチリ捕獲している両隣の友人ふたりに原は不満そうに視線を投げた。
それから体育の時間が終わりとなり、やれやれとした所で纏められたネットの片付けをしていく。
纏めたネットを篠崎が持って行こうとしたところで、祐羽が駆け寄ってきた。
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