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泣き始めた華林に、野沢達が次々とお酌していく。
「今日で叶わない恋は忘れるのよ~!」
「は…はいぃっ…ううっ」
「新しい恋を見つけようぜぇ!」
「「「お~!!」」」
酔っ払いながらも自分を気遣ってくれる先輩達に、華林は泣きながら、お礼を言うのだった。
居酒屋で慰めて貰った華林は、愚痴を盛大に吐き出してから店先で先輩達に別れを告げた。
別方向へとヨロヨロ帰宅する。
酔っていたからか、方向感覚も可笑しくなり駅までの道を探すため地図アプリを開いた。
「え~っと…どこだ、ここは」
それからポチポチと操作して、駅までの道順を調べる。
自分の位置が表示され、駅までの経路が青色の矢印で示された。
「はいはい、はいっと。ここ真っ直ぐね~。…でも、こっちの方が近道なんじゃないの?」
大抵こういう地図は、大通りを示すようになっており、遠回りになることもしばしば。
「ま~がろっと」
地図アプリを無視して道を曲がり、華林が疲れきった表情で歩いていると、何やら周囲は独特の雰囲気を醸し出していた。
気がつけば派手なネオンと、怪しい雰囲気の建物が並び、道には玄人らしき人が溢れている。
ヤバイ通りに来てしまった。
そう思っても随分歩いていたし、後ろを見ると柄の悪い男達がたむろしており引き返せない。
早く通り抜けよう。
速足で華林が進んでいると、前方の方がただならぬ様子を見せていた。
…何?
立ち止まって見ると、ド派手なビルの前に明らかにヤバイ人影が多数と、一台の高級車を取り囲む黒の車が。
これってヤ…の人達だよね…?
華林はこれ以上は流石に怖くなり、他の民間人と同様に、離れた場所から様子を伺うことにした。
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