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男性物に特化したコーナーを見て回る。
生地やデザインは良い。
デザインが良くなければブランドだろうが何だろうがお役御免だからだ。
それにしても自分の事なら好みでパパッと選べるが、他人の服、それも九条の為に選ぶとなるとなかなか骨がおれる。
失敗はしたくない。
悩みに悩んだ結果、中瀬は奥義を発動させた。
「ねぇ、ちょっと」
「はい。何かお探しでしょうか?」
少し離れた場所で見守っていた男性店員が直ぐ様近づいてくる。
「可愛い感じの華奢な男に着せる服。全身コーディネートして貰いたいんだけど」
幾つか提案して貰った中から1番大人しいけれど、デザイン的に気に入った物を選び全身コーディネートを完成させた。
ついでに着替え用としてもう2組キッチリとラフな感じの服も選んで、店員に礼を言い店を出た。
車で待っていた組員にお願いして、また違う場所へと移動する。
今度は小物や雑貨などがメインの店が乱立する地域だ。
「…服と靴は完了。あとは…お泊まり用にパジャマとパンツか?」
ここでまたしても中瀬は頭を捻った。
祐羽の好みは知ったことではないが、九条の好みから外れていては駄目だろう。
とはいえ、やはり分からない。
なので、これは中瀬の勝手なイメージでいくしかない。
会長の相手は今まで大人で綺麗系のハイブランドな女ばかりだったけど、今回は特殊だもんな…。
アイツにあまりブランド過ぎてもよくないのか?
いや、もう既に買っちゃったけど。
会長の隣でダサい格好はな~困るし。
「でも家の中や会長が見るだけなら問題ないか」
外に出るなら並んで歩く九条に恥はかかせられないが、家で過ごす分ならば何でもいいのではないだろうか?
そう思った中瀬は、カジュアルなショップが並ぶエリアで降ろして貰うと人混みを上手く縫いながら店を物色していった。
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