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一方九条に大丈夫とお墨付きを貰った祐羽は、外の雷には多少怖さもあるが、雷が少し遠いこと、落ちないと聞いたことや側に九条が居ることでさっきよりも安心出来ていた。 怖いのは怖いので、収まるまでは九条にくっついておくが…。 「雷がお前の頭に落ちる確率など、ほぼ無いから安心しろ」 確かに、雷が自分を狙って落ちてくる確率なんてどれくらいだろうか? それを考えると祐羽の気持ちは先程より楽になった。 とはいえ、落雷の直撃確率は意外にも宝くじ一等を当てる確率よりは高いらしいが、これは黙っておくのが正解だと、九条は知らん顔を決め込んだ。 「安心出来るなら、団子を持って来てここで食え」 「…いいですか?じゃぁ、そうします」 雷が落ちなくとも音が怖い。 九条の側なら怖くないので、祐羽は急いでみたらし団子の乗ったパックを取りに走った。が、 ピカァッゴロッ ドガアアァァァァァーーーーーーーーンンンンンッ!!!!!!! 「うわあぁぁぁぁっ!!!!!」 運悪く九条から離れた時に、マンションの直ぐ近くに1番大きな雷が落ちた様だ。 部屋が振動したかと思うと共に、響いた祐羽の悲鳴。 そして瞬間移動かと思うほどの勢いで舞い戻った祐羽はスポッと九条の懐へと飛び込んだ。 耳を塞いでだんご虫状態だ。 九条はその一連の出来事に驚いた。 そこに祐羽のいつもの呑気な動きは一切無かったからだ。 火事場の馬鹿力みたいなものか…。 面白いな。 「…落ちたな」 そんな祐羽を見下ろし、そして窓の外へと視線をやる。 雷は落ちた事で満足したのか直ぐに遠ざかり、次第に音も聞こえなくなっていった。 九条がトントンと祐羽の背中を軽く叩き雷が過ぎ去った事を教える。 すると、祐羽は漸く安堵の表情を浮かべたのだった。

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