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それから暫くして届けられた美味しいピザ。 ふたりでパクパクと食べ終わり、テレビを見る。 テレビを観て一緒に笑ったり、ハラハラしたり。 せっかく恋人という関係になった九条が居ないのは寂しくても、中瀬がつきあってくれるので、楽しく過ごせている。 元々、九条との歪な関係が始まった時から連絡を取ったり送迎で一緒に居る時間が長かったお陰で随分と親しくなり、今では聞きたい事も直ぐに何でも訊けるようになってきた。 そうだ。 まだ九条さん帰って来ないし、中瀬さんに聞いてみよう。 そこで祐羽は、なかなか聞けそうもない九条の裏稼業ついて詳しく訊くことにした。 「は?会長と旭狼会について?」 「はい。分からないことが沢山あるので…」 「そっか…そうだよな。お前も知っとく必要あるんだよな」 中瀬は頷くと、さっそく旭狼会についての話をしてくれた。 九条一臣はヤクザ組織である旭狼会・会長である。 その旭狼会は元々、九条の祖父が戦後発起した組織だ。 それを息子の英二が継ぎ今、孫の一臣が継いだ世襲性となっている。 旭狼会は関東一円から東北、北海道までを縄張りにしている日本最大規模の篁組の傘下第一次組織である。 昔からの馴染みもあってか篁組の組長である篁からは目をかけられており、九条が継いでからは特別扱いをあからさまに受けていた。 それだけ九条の手腕と、その他にも色々と思うところあっての事らしい。 「そのせいか若干やっかみもあるみたいで、面白くないと思っている組も幾つかあるらしいぜ。まぁ、それだけ会長が優秀ってことだから!」 中瀬に言われて、とにかく九条が優秀で注目されていること。 同じグループでも仲良くない組も居ることが分かった。 「あっ、待って」 そう言うと中瀬はスマホを取り出した。 暫く操作すると画面を見せてきた。 「ほら。これ見て」 そこには色んな名前が日本地図に書いてある。 「全国の主な組織を解りやすくしてあるサイトの図」 「わあ~、凄い」 「ヤクザ好きな物好きなヤツって結構多いからな。色んなサイトがあるよ」 心底呆れた様子で中瀬がそう言った。

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