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「で、同じ東京でマジでヤバいのは『青龍会』。アジア系外国人やその関係ばかりの組織で海外と繋がってる新興勢力。強引でトラブル多いから要注意。それから大阪にあるのが『五代目・梶谷組』。ここも同じくらい歴史あるし勢力も全国的に凄い。仁義とか言ってるけど、口が上手くて隙あらばって感じかな?あとは福岡の『四代目・坂巻一家』だな。修羅の国ってくらいに九州は覇権争い凄いんだ。離れてるから大丈夫とは思うけど…。敵対する大きい組織は、このくらいかな。大丈夫だとは思うけど、一応お前も気をつけろよ」
「は、はい…」
…そうか。ヤクザか。
自分が改めて、どんな人間とつきあっているかという事実に気がつかされた。
今の中瀬の話を聞くと、ゾクッとする物がある。
ヤクザなんてマンガやドラマの世界の事だと思っていたのは、今は過去だ。
現実、自分がヤクザに脅かされ、そして今はそのヤクザと深く関わりを持っている。
初めての恋人がヤクザだなんて…。
ヤクザだけど、九条さんは九条さんだから。
ヤクザだからという理由で、九条と離れる理由にはならない。
祐羽は九条のことが心の底から好きだとはっきりと言えた。
それから他にも聞こうかと思ったものの、中瀬が時計を見て話を切り上げてしまった。
「おい、そろそろ風呂入っとけよ」
「あ、はい。それじゃぁ、いただきますね」
九条が遅いと連絡の入る日は本当に遅い事が多く、時計の針が天辺を越える事もザラだ。
なので全て済ませて、あとは寝るだけの状態にして待つのが最近の過ごし方だった。
その理由は…。
「おい、もう寝るか?」
「いえ。もう少し」
どうしても睡魔に勝てない祐羽は夜の11時半頃からウトウトしてしまう。
風呂から上がりポカポカの祐羽はエアコンの涼しさに目を細めているうちに、案の定眠りの妖精に誘われてしまっていた。
これは祐羽が何とかしようとしてもどうにもならない。
どこまでいってもお子さまなのだ。
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