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9 ※
もうこうなっては九条の思うままだ。
下から見上げると、優しさの中にも熱が籠っているのが見てとれた。
九条さん、いつもこんな目をしてたっけ?
久し振りの交わりを前に、祐羽は心臓が一気に跳ねたのを感じた。
頭に響くドクドクとした音が煩い。
もう1度唇にキス、それからそのまま唇が首筋に、そして胸の頂きに辿り着いた時には祐羽の顔は真っ赤になっていた。
奥手な祐羽は、九条との経験しかない。
それも数える程度で今夜は久し振りなのだ。
緊張と恥ずかしさで顔を隠してしまった。
「う…、ぁ…っ」
けれど祐羽は知っていた。
乳首が気持ち良いことを…。
セックスをしなくても、九条にキス以外で何度かイタズラをされたことがあるのだ。
そのターゲットが、小さなポチッと赤く主張している乳首だった。
「フッ、期待してるのか?」
「えっ!?」
九条の言葉に祐羽は不思議に思い指の間から、九条を見た。
「ちゃんと見ろ」
乳首をこれから舐められると分かった途端に、自分でも目を疑いたくなる程に、乳首がツンッと上を向いて硬くなっていた。
そのてっぺんに九条の指先が触れて擦ると、それからクニクニと捏ねたり摘まんで刺激を与え始めた。
それだけでも敏感な祐羽が吐息を漏らすには十分だというのに、九条は反対側に舌を伸ばした。
まるで見せつける様に舌先でチロチロとなぶられ押し潰されるが、健気な小さな乳首は益々硬くなり九条を喜ばせているだけだった。
は、恥ずかしいよぅ…だけど…。
祐羽は九条を訴える様に見つめ返した。
祐羽の乳首を舌で可愛いがりながらも九条の視線は祐羽に注がれている。
自分がどう感じているのか全てを見られているという事実に、祐羽は余計に感じてしまっていた。
このもどかしい時間が堪らない。
けれど、もっと気持ち良いことを知っている。
それも、この九条が教えてくれたことだ。
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