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美味しい食事とはいえ、少食気味の祐羽は早くも満腹中枢が働き、果物中心の食事へと切り替わる。 九条も食事より酒という男なので、恐ろしいほどに飲んでいく。 一方の紫藤はというと、ふたりの分までといった様子で大食漢振りを披露していた。 とはいえ1人では完食出来る量ではない。 すると紫藤が後ろに控えていた外崎に声を掛ける。 「律、お前も食え」 「いえ、私は結構です」 「うるせぇ、座れ」 「あっ!」 有無を言わせず隣に無理矢理座らせると、今度は九条の後ろに立つ眞山と祐羽の世話を焼く中瀬へも声を掛けてきた。 「お前達も食べるといい」 断るふたりだったが、ボスである九条に言われてしまえば従うしかない。 結果、6人でテーブルを囲むことになった。 「遠慮すんな、食え食え」 「俺達の分まで食え」 紫藤が言い、それに続いて九条が言う。 3人は戸惑いつつも「では、有り難く頂きます」と眞山の言葉に合わせて食事を始めた。 中瀬が隣に座ったことで、祐羽の緊張もまた緩むのだった。 そうなると余裕が生まれてきて、祐羽は何気なく前に座るふたりを見た。 紫藤が食べる横で静かに食事を進めながらも、外崎はボスの世話は欠かさない。 というか…本当に外崎さんってヤクザなのかな? 見た目がまずヤクザに見えない上に、言動も大人しい。 「お酒です、どうぞ」 「ん~」 「隆盛さん、これも好きですよね?食べますか?」 「ん」 なんだか、お母さんと息子、いや優しいお姉さんと弟みたい…。 祐羽は興味深く、ふたりのやり取りを見ていた。

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