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しっかりと手を回され、祐羽も泣くのを堪えて同じ様に九条の背中にゆっくりと手を回した。 確かに九条は目の前に、自分と触れあっている。 この暖かさを失いたくない。 意を決して祐羽は口を開いた。 「く、九条さん」 「何だ」 「生意気言って、本当にすみませんでした」 「いや?」 「だから僕と別れるなんて、お願いですから言わないで、言わないでくださいぃ…っ、ううっ」 「…言ってないが?」 九条は祐羽の言葉に訝しむ。 祐羽はそれには気づかず「お願いですから」と九条の顔を見上げ必死に訴えた。 「僕っ、九条さんと、もっと一緒に…うぅ~」 再び涙が溢れてきて言葉が出てこない。 そんな祐羽の目元を九条の指が優しく拭ってくれる。 「わっ、わっ、わかっ、別れたくないです…っ!」 嗚咽を堪えて訴える祐羽に、九条が首を傾げる。 「別れるつもりはないが」 「ありがとうございます~~~うぇ~っ」 九条から別れないとハッキリと言われて安心感からバカみたいに泣いてしまう。 良かった~うぅ~っ、良かった~! これからはもっと色んなことを考えて行動しよう。 九条さんに迷惑をかけない様に、嫌な思いをさせない様に努力する!! 「僕、頑張ります…っ」 うぇーんと泣き笑いで九条の胸に顔を埋める。 「…取り敢えずお前がマイナス思考で、妄想癖があるということだけは分かった」 どうしてこうなった? そんな考えすぎな祐羽を見て、九条が呆れた顔で呟いた。

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