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祐羽が身仕度を終えてリビングに行ったが、九条はまだ居なかった。 九条さん、まだお風呂かな? シャワーを浴びていたのでもう少し仕度に時間が掛かるだろうと思い、祐羽は待つ間スマホで行き先の情報を見ることにした。 「え~っと、今日は厳、島、神、社…」 スマホで検索するとあっという間に情報が幾つも表示された。 基本情報は以前読んでいたので、今回は観光スポットをチェックする。 鹿、撫でたいなぁ…鳥居凄いだろうなぁ…なんて思いながら見ていると、思ったよりも早く九条が出てきた。 「待たせたな」 「いえ、そんなことないです」 九条さんのスーツ姿大好きだけど、私服もカッコいいなぁ…。 私服はある意味レアなので、なんだか得した気分になる。 恋人の私服姿で得したとかおかしな話だが、好きな人の色んな姿はやっぱり見たいと思ってしまう。 祐羽はついスマホを向けてしまう。 パシャッ 「すみません」 九条の視線に思わず頭を下げて、それからササッとソファの後ろに逃げた。 勝手に写真を撮って申し訳ないと思いつつも、カッコいい姿は記念に残したい。 でも怒られては堪らないと反省の顔でお伺いを立てる。 いきなり撮るのはやっぱりダメだよね。 ダメって言われたら消そう…。 「まぁいい」 「えっ?いいんですか?!」 予想外にOKを貰って面食らってしまう。 「ありがとうございます~わーい」 わーい、わーいと喜んで目の前に出てきた祐羽は九条にいきなりガッチリと頭を捕獲された。 「!!?」 やっぱり怒ってる?!と上目で見ると「タダとは言ってない」とニヤリと笑った九条に無理矢理キスをされる。 「ンンーッ!!」 激しいキスをされてギブアップ!九条の体をバシバシ叩く祐羽であった。

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